狙った相手のおしゃべりをストップさせる「SpeechJammer」にイグ・ノーベル賞 産総研の研究者ら開発
「SpeechJammer」を向けた相手はしゃべれなくなってしまう。
産業技術総合研究所(産総研)が、ユーモラスな発明に贈られる「イグ・ノーベル賞」を受賞した。
受賞したのは、狙った相手のおしゃべりを妨害するシステム「SpeechJammer」。黒い箱に取っ手が付いたような形で、人に向けると、肉体的苦痛を与えることなく、その人をしゃべれなくすることができる。産総研の情報技術研究部門メディアインタラクション研究グループの栗原一貴氏と、科学技術振興機構さきがけの塚田浩二氏による研究だ。
人は、自分が話したことを自分の耳で聞いて、それを脳内で照合して自分が正しく話せていることを確認することで、うまく話せていると言われている。聴覚遅延フィードバックは、人が話したことを数百ミリ秒程度の遅延を加えて当人の聴覚に音声をフィードバックする。これにより、脳内で照合したときに正しく話せていないと脳が認識し、うまくしゃべれなくなる。
SpeechJammerは指向性マイクと指向性スピーカーを組み合わせて試作されたもの。聴覚遅延フィードバックを利用して、外部の離れた場所から特定の人の発話を阻害する。話者だけに作用するため、それ以外の周囲の人たちには無害だ。産総研は、会話のマナーとルールの制御、プレゼンのトレーニングなどに応用することを検討している。
このほか、物理学賞には英ケンブリッジ大学のポニーテールの力学に関する研究が選ばれた。ポニーテールを形づくり、動かす力の均衡について計算した。カリフォルニア大学の研究者は「なぜコーヒーを持って歩いているとこぼれるのか」についての研究で流体力学賞を受賞した。
文学賞を受賞したのは米政府説明責任局。報告書に関する報告書についての報告書に関する報告書を準備することを勧める報告書についての報告書に関する報告書を発行したことが受賞理由という。
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