京都府警は12月7日、いわゆる「ペニーオークション」サイトを運営していた男ら4人を詐欺罪の容疑で逮捕した。「格安で落札できる」などとうたいながら、絶対に落札できないようなシステムを組み込み、利用者から手数料をだまし取っていた疑い。ペニーオークションをめぐっての逮捕は全国初。
ペニーオークションは通常のオークションサイトと異なり、入札するごとに数十円〜100円ほどの手数料がかかる点が特徴。そのかわり高額な商品が格安で出品されており、運が良ければ破格の値段で落札できる――というのが売りとなっていた。
しかし、ネット上では以前から「詐欺ではないか」と危険視する声も相次いでいた。通常のオークションでは、落札できなければお金を払う必要もないが、ペニーオークションの場合、落札できなければそれまでに払った手数料がすべて水の泡になってしまう。「途中でやめたら……」という心情から、引き際を見極められず必要以上にヒートアップしてしまいやすい。オークションが長引けば手数料だけで数万円、数十万円に達するケースもある。
しかも、画面の向こうでは誰が入札しているのか分からないから、運営側が「サクラ」を仕込んで、手数料と入札額をつり上げているのではないか、という指摘もあった。運営側が落札した場合、払ったお金は自分に戻ってくるのだから、理論上、落札額は無限に釣り上げることが可能だ。
今回のケースでは、運営側は自動で入札するbotを組み込み、入札者の落札を妨害していた疑い。入札者は「あと少しで落札できるかも」と思って入札するが、あと少しになるとbotが入札し、値段をつり上げる。ずるずると手数料だけが取られ、商品は絶対に落札できない仕組みだ。まさに、これまで指摘されていた「サクラ」疑惑が立証された形となる。
今回摘発されたサイトはすでに閉鎖しているもよう。もちろんすべてのペニーオークションサイトがこうした詐欺を行っているという確証はないが、その構造上、きわめてリスクの大きいオークションであることは間違いない。「40万円のテレビがたった2000円で落札できた!」といったうたい文句を見ても、うっかり騙されないようご注意を。
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