東京都現代美術館「閉館」記事はエイプリルフールだった 執筆者は「うのみにする方々」に遺憾表明
東京都現代美術館が閉館するという嘘の記事をエイプリルフールとして掲載した美術誌「月刊ギャラリー」が抗議を受け謝罪。記事を書いた名古屋覚さんは、「ジョークが分からない方々」「ツイッター等の情報をうのみにする方々」に対して「遺憾」の意を表明。
東京都現代美術館が閉館するという嘘の記事を4月1日発売号に掲載した美術誌「月刊ギャラリー」が4日、Webサイトにお詫びを掲載しました。
同誌は4月号の「評論の眼」というコーナーで、東京都が東京都現代美術館を閉館して「クールトーキョーフォーラム」を新設する――といった内容の文章を掲載。これを発端に、同館の閉館疑惑がネットでもまことしやかに取りざたされ、ついには東京都現代美術館が「事実無根」だとホームページで発表。月刊ギャラリーに抗議する事態に発展してしまいました。
これを受けて月刊ギャラリーが今回のお詫びを掲載。4月号の発売日が4月1日であることから、「著者がエープリルフールのユーモアとして書いた」と説明しています。お詫びのページには、問題の評論文を書いた名古屋覚さんからのメッセージも掲載されているのですが、「『本誌発行日には』(4月1日のこと)とヒントまで書いたのに」と前置きし、
「世界で楽しまれているエープリルフールのジョークが分からない方々が美術館や文化行政や報道に携わっていたり、美術に関心を持っていたりするらしいこと、また中には実際の記事も読まずにツイッター等の情報をうのみにする方々もいるらしいこと、そしてそれ故、このたびそうした方々をお騒がせしてしまったことは、大変遺憾であります。」
と、皮肉交じりに語っています。ちなみに、問題の文章には「本誌発行日」という文こそあるものの、それ以外のヒントはとぼしく、世界で楽しまれているエイプリルフールのジョークに比べてかなり分かりにくいネタバレ方法となっているようです。
嘘を楽しむエイプリルフール。ネットでも毎年、さまざまな場所でエイプリルフールネタが繰り広げられますが、嘘ということが分かりにくいと思わぬ騒動に発展することもあります。人を混乱させたり悲しませたりするような可能性のあるネタは、断片的に広がってしまうことも多いからこそ、控えたりやさしくネタバレしたほうがいいのかもしれません。
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