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人間を画家のタッチに合わせたら――アート「生きたモデル」シリーズが怖い

人間のようで、人間じゃない。

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 グラフィックソフトウェアを使った写真のレタッチは、昨今では珍しくありません。まるで絵を描き直すかのごとく、画像加工で人物の目鼻立ちをくっきりさせたり、やせた体型にしたりすることができるようになりました。グラビア写真に「どうせフォトショだろ〜」といったコメントが付くことも、めずらしくありません。

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 本物だけど、作り物でもある――Flora Borsiさんのアート作品「The real life models(=実在のモデルたち、生きたモデルたち)」は、そんな時代を風刺するかのような写真作品です。そこに映しだされているのは、名だたる画家が描いた人物画の横にたたずむ、“名画のモデル”の姿。このモデルたちは、画像加工によって画家の画風に沿った顔立ちや体型になっており、写真とも絵ともいいがたい、どこか恐ろしい雰囲気を放っています。

 例えばモディリアニの作品の前にたたずむ女性は、極端になで肩で、首が長く、顔立ちも生きた人間のそれとはどこか異なる様子。画家たちはかつて、生きたモデルを前にイマジネーションを働かせ、それぞれのタッチで絵を描きましたが、現代に生きるBorsiさんは逆に画家たちが完成させた絵そのものから受けたインスピレーションを生きたモデルに流しこみ、新しい作品を作りました。

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Image Credit:Flora Borsi

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