ネット上では行きすぎた生主の炎上など、ネガティブな要素が語られることもあるニコニコ生放送。その一方で、常に高い人気を得る生主には本当にものすごい才能を感じさせる人物も多い。その代表的な存在がコミュニティ加入者20万人以上の人気生主「恭一郎」さんだ。
漫画だらけの部屋でほとんどいつも上半身裸、体重は120キロ級。放送スタイルは一見、いかにもうさんくさい顔出し配信者なのだが、人気の秘密はその広すぎる芸の幅にある。異様に上手いラップと高すぎる歌唱力、豊富なモノマネのレパートリー、そして一癖も二癖もある「Skype凸」たちを華麗にさばいていくトーク力。放送で披露された数々のパフォーマンスは、ニコ生の枠を超えてYouTubeなどでも話題となり、ついにはテレビ出演のオファーを受けるまでになっている。初めて知ったという人は以下の動画のどれかを再生してみると、その才能の片鱗を感じることができると思う。
その才能は多くのメディア関係者の目に留まっているようで、この4月にはサントリーのWeb CMで壇蜜さんとも共演。4月26日からの「ニコニコ超会議3」への出演も決まっている。この現状を当の「恭ちゃん」はどう思っているのか、インタビューに行ってきた。
インターネットには興味がなかった
――そもそもニコ生を始めるきっかけはなんだったんですか?
恭一郎 もともと外で友達と遊んだり漫画やアニメを観たりするほうが好きで、インターネットには興味がなかったんです。初めてノートパソコンを買ったのもニコ生のサービスが始まる少し前くらい。実は最初にニコニコにハマったのは妹で、ニコ生を始めたのも妹なんですよ。たまに俺も一緒に放送に出たりしたんですけど、その時は「うわっ、コメント流れてる。キモッ」て感じでした(笑)。
――へー、それは意外な導入ですね。それがなぜ1人で放送をするように?
恭一郎 俺が当時付き合ってた彼女にフラれちゃってすごい落ち込んでる時があったんです。それを妹の放送で言ったらおなじみの「ざまあwww」みたいなコメントに混じって「俺らがいるだろ」ってコメントがあったんです。その安っぽいコメントを見た時に「あっ、お前らいるじゃん」ってすーっと心が軽くなって(笑)。それから「俺もこういう風に落ち込んでる人たちを喜ばせられたらいいな」と思って1人で放送するようになりました。
――放送のスタイルは最初から顔出しだったんですか?
恭一郎 いや、最初は真っ暗な画面で雑談してるだけでした。でも、妹から「お前はなんでカメラに映してないのに変顔するんだ」ってツッコまれたので、その日にWebカメラを買ってきて。それから段々今みたいな放送スタイルになっていきましたね。
――初めて顔出しした時の反応はどうでした?
恭一郎 「クソデブやんwww」でした(笑)。でも、そこからコミュニティの人数が一気に何百人、何千人と増えていきました。変顔がヒットしたみたいです。
――ネットで顔を出すことに抵抗はなかったですか?
恭一郎 最初の2週間で羞恥心は全部捨てました。高校時代にバカすぎて普通の高校に行けなくて夜間制の高校に行ったんですけど、そこだと周りがお不良さんみたいなやつばっかりなんですよ。その人たちと最初どう付き合えばいいか分かんなかったんですけど、自分がバカやったら笑ってくれて。そのまんま「面白ければなんだっていい」ってスタンスで成長してるので、別に顔出しがどうこうという抵抗はなかったですね。
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