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すき家のストライキは本当に起こったのか ゼンショーとストを実行したちば労組に聞いた

5月29日にすき家にストライキを起こそうという呼びかけがネット上で行われていたが、影響はどのようなものだったのか、ちば合同労働組合とゼンショーに聞いた。

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 5月29日を“肉の日”として、「すき家」を運営するゼンショーにストライキを起こそうという呼びかけがネット上で話題になっていた。呼びかけに応じる形で、29日に千葉県千葉市の「ちば合同労働組合」(ちば労組)がストライキを実行した。

 ちば労組のストライキはどのようなものだったのか、またほかにもネット上の呼びかけに応じてストライキを起こした人はいたのか。確認すべく、ちば労組とゼンショー広報部に電話取材を行った。

ちば合同労働組合のストライキの様子

画像 GFF船橋工場最寄り駅でストライキを行うちば合同労働組合(公式サイトより)

 ちば労組の書記長・白井徹哉さんによると、組合は28日に労働改善の要求4項目をゼンショーへ送り、29日の午前8時から午後5時までゼンショーの食肉加工工場であるGFF船橋工場へ指名ストライキを行った。参加人数は約15人、その中でゼンショーの従業員は工場に務める1人。すき家の店舗や工場で働くパート・アルバイトへ組合に入ろうと呼びかけた。29日早朝から工場の最寄り駅でチラシを配ったという。

画像 ちば合同労働組合による要求

 ストライキ権を行使してストを正式に行っているのはおそらくちば労組だけだろうとの見解だった。アルバイトを休むといった自主的なストライキが起こったかはまだ把握していないそうだ。

 今回のストライキを受けて、労組に入るにはどうすればいいかという問い合わせが数件寄せられたと白井さんは話す。ゼンショーへの要求は回答待ちの段階だ。

 すき家の店舗を周る中で、「このまま変わらなければ来月あたりやめようと思っている」といった話を店員から聞いたという白井さん。「3月に店員が一斉に辞めたという報道が流れたり、全国一斉ストライキの呼びかけが起こったりするという事態も、7年ほど労組にいた中でも考えられないケース。今回のストライキもパフォーマンスに終わらず、しっかり労働環境の改善につなげたい」

ゼンショーに聞いた影響

画像 すき家公式サイト

 続いて、ストライキの呼びかけがゼンショーにどのような影響を与えているか、広報部に問い合わせた。

 担当者によると、ストライキによって29日に閉業しているすき家の店舗や工場は1つもないという。ちば労組以外にストライキを起こした労働組合もなく、今回の呼びかけを受けて自主的にアルバイトが休んだ、という報告も1つも上がってきていないと話した。

 また28日深夜に茨城県のすき家「土浦南店」「千代田町店」が突然一時的に閉業した。こちらに関してもストライキは関係なく、たまたま人員が集まらなかったことによるイレギュラーな閉業だと説明。

 ちば労組からは28日に労働条件改善の要求とストライキ実施の通達を受けた。要求への回答期限は30日午後までなので、現在どのように回答するか検討中だとしている。

 ネット上でのストライキの呼びかけそのものに対して、広報担当者は次のような見解を示した。「ネット上での匿名の書き込みのため、呼びかけているのが本当にすき家の店員であるとは断定できない。ゼンショーがちゃんと対処するべきなのか判断が難しいところだ。ゼンショーのパート・アルバイトの85%以上が参加している『ZEAN』など、そうした労働組合から正式に要求がくれば必ず対応する」

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