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従来、故人をしのぶ仏壇といえばロウソクにお線香、鈴(りん)、そして遺影がありました。そんな故人をしのぶ形が今、少し変化しようとしています。
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 特任助教の瓜生大輔氏は、デジタル時代の新しい仏壇のようなものとして「Fenestra」(フェネストラ)を提案しています。Fenestraは、ラテン語で「窓」という意味。写真などのデジタルデータをもとに遺族が供養の儀礼や故人をしのぶ行為を支援する道具です。
Fenestraは、専用の3つの道具「鏡」「フォトフレーム」「キャンドルホルダー」を用います。普段は何の変哲もない鏡とフォトフレームですが、キャンドルホルダーにロウソクを入れて火を灯すと、鏡には故人の遺影が、フォトフレームには故人の写真が表示されます。ロウソクの火の揺れに反応して、鏡やフォトフレームに映った写真が揺れたりぼやけたりし、ロウソクの火が大きく揺れると別の写真に切り替わります。そして火を消すと、再び元の鏡とフォトフレームに戻ります。
デジタルメディアが普及した今、故人をしのぶ形も従来のものにしばられる必要はないのかもしれません。愛する人を、それぞれが最も思うことができる形で。
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