巨大なオフ会? ドイツ最大のアニメ・漫画ファンイベント「Connichi」に行ってきた(1/2 ページ)
ライブやグッズの販売、そしてアニメ・漫画ファンの友達に会える場所――2万5000人が集うドイツの「Connichi」を取材してきました。
9月12〜14日の3日間、ドイツのほぼ中央に位置するカッセル市で、ドイツ最大のアニメ・漫画ファンイベント「Connichi」(コンニチ)が開催された。年に1度のファンの集いは今年で13回目。ドイツ全土から2万5000人(3日間のべ)が参加した。
会場は「コングレス・パレス」という伝統的な建築様式の会議場と隣接するホテルの一部を使用している。
コンニチはいわゆるアニメ・コンベンション。ファンによるファンのためのイベントだ。運営母体となるのは、Animexx(アニメックス)というアニメ・漫画ファンのポータルサイト。会場となる建物のホールや会議室、通路を使ってライブや物販など同時進行でさまざまな催し物が実施される。
メインホールでは日本から招待されたバンド「流田Project」や歌手の織田かおりさんがライブを実施。毎年名古屋で開催されている「世界コスプレサミット」(WCS)のドイツ代表選考会もハイライトの1つとなっている。
会議室では日本から来た招待ゲストによるQ&Aコーナーやドイツのファンによるパネルが行われていた。流田Projectや声優の真田アサミさんが来場者からの質問に答えたり、アニメ製作会社トリガーのスタッフなどが製作裏話を披露するなどしていた。
物販エリアには海賊版グッズ対策チームも
企業や個人のクリエイターのブースが並ぶコーナーや、業者による物販ブースのエリアもある。企業ブースでは、アニメや漫画のドイツ語版を販売する企業のほか、任天堂やフィギュアメーカーのグッドスマイルカンパニーが参加していた。漫画やアニメDVD、コスプレ関連グッズなどが販売されていたが、人気商品はフィギュア。個人クリエイターのブースでは自身のイラストやグッズが販売されていた。
アニメのキャラクターグッズに関しては、違法にコピーされたものや著作権保有者から許諾を取得していない海賊版の問題もある。コンニチには対策チームがあると聞いたので、少し話を聞いてきた。
海賊版対策チームを率いるトビアス・トリアントさんによると、5年前から海賊版対策に取り組んでいるという。ファンとしてグッズの販売利益をオリジナル製作者に還元させたいという思いがきっかけとなり活動をスタートさせた。チームの捜査員は会場内のブースを覆面で巡回し、疑わしい商品があると自前のデータバンクで照合する。データバンクには1万点に及ぶ正規品の画像データが登録されているという。
日本の外務省から表彰
日本の外務省は今年7月、ドイツにおける日本文化の普及に貢献したとしてコンニチ実行委員会に外務大臣表彰を授与すると発表した。日本と諸外国の友好親善関係への貢献に、特に顕著な功績があった個人や団体に贈られるものだ。
実行委員会で広報を担当するメラニー・ベッカースさんにコンニチの魅力について聞いてみた。
コンニチの運営はすべてボランティアでみんな楽しんで参加しており、毎年、改善を続けていると話す。ゲストやスポンサーにも支えられており、長く続けてこられた理由の1つだという。今回の受賞に関しても、賞のために何か特別なことをしたつもりはないが、長年の活動が評価されたことはとてもうれしいと語ってくれた。
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