「この機に乗じて売名行為する作詞家というのも実に厄介や」――11月18日夜に作家の百田尚樹さんがTwitterに投稿した内容が物議を醸している。
この発言は、「残酷な天使のテーゼ」「魂のルフラン」などで知られる作詞家の及川眠子さんに向けられたもの。当の及川さんは、「私が売名行為、すか? 名前売って何の得になるんでしょうねぇ?」などと困惑している。
そもそもの発端は、幻冬舎が今月発売したノンフィクション「殉愛」。同書は、故やしきたかじんさんの闘病生活を百田尚樹さんがつづったもので、オリコンランキング1位のベストセラーとなっている。たかじんさんがFacebookで出会った女性と結ばれ、闘病生活の果てに死別するまでが描かれているが、作中に元マネージャー(遺産をめぐる争いが生じている)への辛辣(しんらつ)な記述があったり、出版後に同女性の結婚歴が判明したことなどで“炎上”。Amazonレビューが荒れ、「実態も真実も何も知らない第三者が、何の根拠もなく、匿名で人を傷つける。本当に人間のクズみたいな人間だと思う!」と百田さんが激怒する事態もあった。
及川眠子さんのツイート(一部)
そうしたゴタゴタの中で、ヒット曲「東京」をはじめ、たかじんさんの楽曲を多数手がけている及川さんがTwitterを更新。「百田さんは秋元さんには取材に行ってるようなのに、なぜ39曲(未発表を入れれば70曲以上)も詞を書いた及川のところには取材に来てくれなかったんだろう」「なぜウラも取らずに、1人の人間を犯罪者だと決めつける? ノンフィクション作家を名乗るのであれば、きちんと本人に取材すべき」などとコメントしていた(Togetterまとめ)。
これに対し、百田さんは冒頭のとおり反応。かなり過激な物言いに、たかじんさんの元弟子・打越もとひささんは「及川眠子を知らんのか!なんで今更、売名せなアカンねん。winkの淋しい熱帯魚は聴いた事ないか?」「久しぶりにキレたわ」と激怒。お笑い芸人の水道橋博士も「あれほど情状酌量の余地を与え、利害関係のない立場から逃げ道を示唆してきた方に『売名行為の作詞家』と呼ぶのはいかがなものか」と苦言を呈した。
それでも、百田さんは「及川さんというのは有名な方だったのですね。それほど有名な方が印象だけで筆跡が怪しいと公言されるのはいかがなものか」と一歩も引かず、「やしきたかじん本を作った人が、やしきたかじん作品の作詞を多数手掛けている人に対して『及川さんというのは有名な方だったのですね』とか言い出すのは、さすがに迂闊すぎるよなあと思います」とインタビュアーの吉田豪さんが発言するなど波紋が広がっている。
なお、同書の発売にあたり、幻冬舎の見城徹社長は、「百田さんは作品も人間性も素晴らしい。また、タッグを組みたいです」とトークライブアプリ「755」でコメントしていた。
たかじん弟子・打越もとひささん
水道橋博士
吉田豪さん
百田尚樹さん
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