東京圏に住む高齢者の地方移住などを促す 日本創成会議が「東京圏高齢化危機回避戦略」を提言
「消滅可能性都市」を発表した日本創成会議が、今度は「東京圏高齢化危機回避戦略」を提言して話題になっています。
有識者らによる民間研究機関「日本創成会議」は高齢者の地方移住などを促す「東京圏高齢化危機回避戦略」の提言を行いました。
日本創成会議は昨年、人口の 「再生産力」に着目し、20〜30代の女性が減少して自治体としての機能が維持できなくなる恐れのある「消滅可能性都市」を発表。東京都23区の1つである豊島区が消滅可能性都市に挙げられて当時話題になりました。
今回の提言では東京圏(一都三県)における後期高齢者が10年間で175万人増加というデータを示したうえで、周辺県に高齢者が流出していることから、千葉県・埼玉県・神奈川県の方が東京都よりも高齢化率が高くなることを指摘しています。また、2025年の東京圏の介護需要は千葉県・埼玉県・神奈川県で50%ほど増えると試算し、東京圏周辺では介護施設の不足や医療不足が深刻化することで高齢者が医療サービスを奪い合う事態になるとの予測もあわせて公表しました。
これらを踏まえ、介護施設や人材の余力があり、医療にかかる費用も比較的安い地方へ東京圏の高齢者が移住できるようにする環境の整備を提案。このほかの施策としては、ICTやロボット活用や外国人介護人材の積極的な受け入れ、地域医療介護体制の整備と高齢者の集住化の一体的な促進、定年前からの勤務地選択制度、お試し移住支援、日本版「CCRC(健康時から介護時まで移転することなく暮らし続けることが出来る米国のシニアコミュニティ)」構想の推進などを挙げています。
日本創世会議は「東京都の高齢化問題への対処は、日本全体の将来像を左右する」とし、1都3県が連帯して高齢化問題に対応することを求めていく構えです。
(高城歩)
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