Amazon.co.jpの僧侶手配サービス「お坊さん便」に全日本仏教会が苦言 「宗教行為をビジネス化している」
「Amazon」の宗教に対する姿勢に疑問を禁じ得ないとのコメント。しかし一般の声との齟齬(そご)も……。
Amazon.co.jpが12月8日より展開している「Amazonのお坊さん便 僧侶手配サービス」(関連記事)の販売に関して全日本仏教会が苦言を呈する内容の意見書を発表しました。
これはもともと2013年より「みんれび」が行っている、インターネットを通じて僧侶を手配でき、なおかつ全ての法事・法要の料金が一律というサービス。背景には社会からの「読経してもらいたいが、お寺との付き合いがない」「お布施をいくら包めばいいのか不安」といった声があり、当サービスは定額で分かり易いという意見がある一方で、仏教界からは宗教をビジネス化しているという批判が起こっていたとのこと。
日本仏教会は、宗教行為としてあるお布施を営利企業が定額表示することに一貫して反対する姿勢であり、お布施はサービスの対価ではないと強調するとともに「戒名」「法名」も商品ではないことを主張していました。
さらに、このたび世界的な規模で事業を展開する「Amazon」がこのサービスを開始したことにより、全日本仏教会はあらためて「宗教行為をサービスとして商品にしている」「Amazonの宗教に対する姿勢に疑問と失望を禁じ得ません」とのコメントを発表するに至ったようです。
しかしながら、利用者のレビューには「宗教離れの時代にあったサービス」「現代の多くの人は地元から出て来ているので家の寺も無いし、ひいきにしている寺も無い。先祖代々の寺が有るなら高くてもそこに頼めば良いが、そういうのが無いなら、こういうサービスは非常にありがたい」「安くて明確な料金を最初に提示しておいて貰えた方が利用者側はありがたいのは言うまでもない」との声も。
宗教行為のサービス化・ビジネス化に対する仏教界からの苦言と、利用者たる一般の意見との齟齬(そご)が露呈することとなった今回の一件。全日本仏教界は意見書で「お寺は相談しにくいという声を真摯に受けとめ、社会のニーズに耳を傾け、これからの教団・寺院運営に反映していかなければならないことを付言しておきたいと思います」と締めくくっています。
(高城歩)
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