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「ドラえもん」フランスで放送禁止はデマ 辻仁成さんのラジオ発言で波紋

現在もちゃんとフランスの子ども向けチャンネルで放映されています。※追記あり

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 3月2日深夜放送のTBSラジオ「爆笑問題カーボーイ」の中で、ゲストのフランス在住作家、辻仁成さんが「『ドラえもん』はフランスでは放送禁止」と語る場面があり、その情報がネットで拡散されました。しかし現在もフランスのテレビ局では「ドラえもん」が放映されており、放送禁止というのはどうやらデマのようです。

 ラジオで語られた内容は、現地の教育委員会が「あんなドラえもんみたいなヤツがいたら子どもが成長しない」と放送を禁止しており、視聴したい人はYouTubeで見ているというもの(記事下に該当部分書き起こしあり)。この話題はたちまちニュースサイトやまとめサイトを介して広まり、「これだからフランス人は考えが浅い」「そんな理由で国が放送禁止にしてるとかバカバカしい」など、フランスを非難する声が多くあがりました。



 しかし実は現在、「ドラえもん」はフランスの子ども向けテレビチャンネルBoingで放映中。Boingにおける放送は2014年からで、同サイトではフランス語版の一部視聴も可能となっています。そのほか「ドラえもん」のフランス語訳版もすでに刊行されており、フランス語で書かれたファンサイトもあったりと、フランスでもちゃんと「ドラえもん」は楽しまれているようです。



 ただ、もう少し調べたところ、Boingが放送を開始する以前には、フランス国内で「ドラえもん」は2003年から2年ほど放送されたのみで、他の諸外国に比べると放送期間はかなり短かったようです。このため辻さんが放送自体知らなかったか、あるいは2003年版が短期で終了してしまったことを「放送禁止になった」と勘違いしていた可能性も。また放送業界に詳しい関係者によると、エピソード単位で見た場合、規制の厳しい国では、虐待や甘やかしすぎといった理由で放送できない話は実際かなり多いそうです。

 なお、日本版を放送中のテレビ朝日にも問い合わせましたが、担当者不在のため詳しいことは分からないとの回答でした。



追記

 辻仁成さんがその後Twitterを更新、「ドラえもん、最近有料チャンネルでフランスで放送されていました。ドラえもん、本当にごめんなさい!」と謝罪していました。




「爆笑問題カーボーイ」より該当部分

(リスナーからのメールで、ドラえもんに絡めたネタを読んだ後で)

太田 フランスでも人気あったりするんですか。

 ドラえもんはダメなんですね。放送禁止ですから。

太田 あっ、そう!

 イタリアはOK、スペインもOKなんですけど、フランス教育委員会が「あんなドラえもんみたいなやつがいたら子どもが成長しない」って言って。放送禁止なんです。

太田 漫画じゃねえかよ!

田中 へえーすごいね!

 すごいでしょ? だからフランスだけはYouTubeで見てるんです。

田中 そうなんだ。

太田 フランス、だって日本のアニメ大好きでしょ? フランスの若者たち。

 大好き。すんごい大好き。東京も大好きだし。でもドラえもんだけ彼ら知らないの。わーって盛り上がって、ドラえもんの話すると知らないんです。

太田 あんな教育的な……言ってみりゃあね、むしろなんか、ねえ。

 だから子どもが困った時に、何でもドラえもんに助けられて、次々になんか出されると親は困るみたいな。

田中 これはだから自分で努力しなさいよみたいなのが裏テーマとしてあるわけじゃない。

太田 感じさせてるからね、ドラえもんはね。

田中 そこをちゃんとねえ、伝えればいいのにね。

太田 まあ別にそこまでドラえもんに肩入れしなくてもいいんですけどね。

田中・辻 (笑)

(TBSラジオ「爆笑問題カーボーイ」3月2日深夜放送回より)



中杜カズサ


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