タレントの福山雅治さんがジョン・ウー監督の香港・中国合作映画「追捕 MANHUNT」に出演することが決定しました。映画は日本円で約35億円の制作費を投じる大作となる予定で、3月16日に香港で製作発表が行われました。作中の主な舞台は大阪と九州で、撮影はすべて日本で行われる予定です。
「追捕 MANHUNT」は、西村寿行さんの小説を原作とし、故・高倉健さん主演で1976年に公開された「君よ憤怒の河を渡れ」のリメイク。「君よ憤怒の河を渡れ」は、文化革命後の中国で外国映画として初めて公開され、約8億人の観客を動員しました。
福山さんが演じるのは、オリジナルでは故・原田芳雄さんが演じた矢村警部。身に覚えのない容疑をかけられ逃亡する男・杜丘を追う役回りです。また、かつて高倉さんが演じた杜丘役は、「戦場のレクイエム」などで知られる中国の俳優、チャン・ハンユーさん。杜丘はオリジナルの検事から弁護士へと設定が変更される予定です。
ジョン・ウー監督は福山さんの起用について、「僕から見た矢村警部は人情も義理も厚く、とても人間味のある役。福山雅治さんはこの役の特質にとてもマッチしていて、ずっと僕の心の中で思い描いていた唯一の人選だった。彼にこの役を演じていただけると聞いてとてもうれしかった」とスケジュールの都合で欠席した制作発表の来場者に向けてコメント。
ジョン・ウー監督同様、制作発表に出席できなかった福山さんは、「僕自身、これだけ激しいアクションがある映画に出させていただくということは初めての経験ですし、それがジョン・ウー監督作品であり、しかも日本が舞台となっているということで、心からやりがいを感じております。そして、圧倒的存在感のあるお芝居をされるチャン・ハンユーさんとご一緒できることも心から楽しみにしています。この映画が中国、日本、そしてアジア全体で楽しんでいただきながら、さらに、世界に発信できればうれしいですね」とコメントを出しています。
2010年にはヴェネツィア国際映画祭栄誉金獅子賞も受賞しているジョン・ウー監督。「男たちの挽歌」「ミッション・インポッシブル2」「レッドクリフ part I 」「レッドクリフ part II -未来への最終決戦-」などに見られるフィルム・ノワールのキーワードといえる「男同士の友情や敵対・裏切り」要素が詰まった名作のリメイクにファンの期待も高まりそう。Twitterでは「中国、日本、韓国のビッグスターは大阪で激突!!!」などの声が挙がっています。
ジョン・ウー監督はこの映画について、「僕にとってはただの新しい作品というだけではなく、特別な意味が含まれている。昔からずっと高倉健さんとお仕事をしたかった。その彼が70年代においてアジアを風靡(ふうび)した作品を再映画化するチャンスをいただいて、ちゅうちょなくこの映画のオファーを受けた。僕は『追捕 MANHUNT』の題材がとても好きだった。男が名誉のためではなく、“人”の尊厳を守るという純粋な思いで悪に対抗し、一人で真相を突き止める剛毅(ごうき)なイメージはとても魅力的」と述べ、「僕が表現したいロマンスを極めていきたい」と意気込みを語りました。
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