「今なら、温泉で泳げます。(でも、本当に泳いではいけません)」。平成28年熊本地震によって、大きな打撃を受けた大分県別府市。その現状をユニークに表現した広告が大分合同新聞に掲載され、話題となっています。この広告を出したのは、大分県の旅館と旅行会社が連携して設立した「おんせん県観光誘致協議会」です。
5月1日・2日・4日・5日の4回にわたって全4パターンが掲載されました。「別府が今かつて無い危機を迎えています」「稼働率が90%〜80%減という大変厳しい状態が続いています」と厳しい現状を明かながらも、「今の別府にとって、お客様は(マジで)神様です。」「別府は今日も元気だぞー!」など、キャッチーな一文で明るい印象を与える広告となっています。最後には「来てくれること、それが何よりも別府の力になります」「ゴールデンウィークは、元気な別府に遊びに来てください」と、別府に足を運ぶよう訴えています。
「おんせん県観光誘致協議会」の西田さんは「観光客数などは、今も本来の状況から程遠い」と語ります。現在の大分の宿泊施設は4月に発生した平成28年熊本地震によって予約キャンセルが続出し、大きなダメージを受けていました。その後広告を掲載するにあたって、約8割が県外からの観光客となっている別府の状況を考慮したものの、まずは地元大分に住む人達に元気を出してもらうため、あえて全国紙ではなく地元紙に広告を載せたとのこと。
地元民を勇気づけるために作られたこの広告は、「応援したくなる」「正直な感じでいい」など好意的な意見とともに今も拡散され続け、Twitterを中心に今も全国に広がり続けています。
協議会として全国紙へ広告を出す予定はないそうですが、今後はSNSの活用や協議会公式サイトの設立を検討しており、ネット上での広報活動を視野に入れているとのことです。
(イッコウ)
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