今年7月30日(土)から来年1月9日(月・祝)にかけて森美術館(東京・六本木)で行われる企画展「宇宙と芸術展:かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ」より、展示の見どころが発表されました。
ジャンルを超えたおよそ200点の展示品が「人は宇宙をどう見てきたか?」「宇宙という時空間」「新しい生命観ー宇宙人はいるのか?」「宇宙飛行と人間の未来」の4セクションに分けて公開されます。
今回目玉の1つとして注目されるのが、国内外の現代アーティストによる体感型インスタレーション作品です。テクノロジーとアートの境界を探るチームラボによるこの展覧会のための新規作品「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく-Light in Space」は、宇宙を自由に飛びかう光のカラスたちによってほとばしる太陽エネルギーを具現化したもの。観客は光の中へ実際に入っていくことができます。
また、セミコンダクター「ブリリアント・ノイズ」は、3つの巨大スクリーンに映し出された熱核融合する太陽に合わせ、太陽光の強度を表現した音が変動するという迫力の作品。最先端の現代美術に生で触れあえる、すてきな機会になりそうです。
第1セクション「人は宇宙をどう見てきたか?」では、大きな絹に描かれた室町時代の曼荼羅をはじめとして、歴史の中で宇宙がどのように認識されていたかを物語る史料が一堂に会します。江戸時代に作られた「竹取物語絵巻」など、中には普段はお目にかかれない貴重なものも。
明治時代に富山県に流れ落ちた隕石から作られたという日本刀「流星刀」など、人間が宇宙に抱き続けてきた関心をしのばせる展示物は必見です。
第2セクション「宇宙という時空間」では、現代美術の分野から宇宙空間へアプローチ。超高感度の天体望遠鏡によって捉えられたヴォルフガング・ティルマンスによる惑星写真など、技術の進歩に伴うアートの進化を感じることができる内容です。
そして皆さんお待ちかねの宇宙人については、続く第3セクション「新しい生命観ー宇宙人はいるのか?」で見ることができます。空山基「セクシーロボット」から荒俣宏のSF雑誌コレクションまで、古今東西の未確認生命体が集合する模様です。マニアにはたまらないラインアップです!
そして最後を飾る第4セクション「宇宙旅行と人間の未来」では、宇宙によって人間の生き方がどう変わっていくのか、アートから投げかけられたまなざしを追っていきます。宇宙航空学のパイオニアであるコンスタンティン・ツィオルコフスキーの描いたスケッチの複製や、NASAの火星住居設計コンペティションで一位に輝いた《マーズ・アイス・ハウス》の日本初公開など、新しい可能性を感じさせる展示品がたっぷり見られそうですね。
入場料は一般1600円、学生1100円、中学生までは600円となっています。アーティストトークやシンポジウムなどのイベントも同時に多数開催されるので、公式サイトを要チェックです。
人間が宇宙をどのように見ていたか、そして宇宙との関わりの中で人間はどんな未来を選ぶのか。現在進行形のアートや貴重な史料が集まるこの機会をお見逃しなく!
(正しい倫理子)
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