和歌山電鐵貴志川線のたま駅長をはじめ、さまざまな動物が駅長を務める今日このごろ。徳島と高知を結ぶ阿佐海岸鉄道阿佐東線の宍喰駅では、なんと伊勢エビが駅長として日々業務に勤しんでいます。ほかのネコやイヌの動物駅長に比べ、何だかおいしそう……。
伊勢エビ駅長は2匹のペアで、名前はあさ(♀)とてつ(♂)。2010年12月から初代が働き始め、2015年8月から現在の3代目が就任しています。業務内容は、改札近くの水槽の中から利用客のお出迎えとお見送りをすること。ブログ「伊勢ぇび駅長」も更新し、阿佐海岸鉄道や地元の魅力を発信しています。
もともと同駅では駅員さんが捕まえたメダカを面白半分で水槽に入れて駅長にしていたのですが、本格的に動物を招致しようということで、地元・海陽町の特産物である伊勢エビに就任してもらうことに。
「伊勢エビは身体が赤い上に脱皮しますよね。当鉄道も赤字経営なもんで、伊勢エビが脱皮を繰り返して成長するように赤字から脱出したい、という願いも込めて駅長になってもらったんです」と阿佐海岸鉄道の担当者。願掛けの効果のほどを尋ねると、「そんな上手いこといくわけでもありませんねぇ」と苦笑します。
来たお客さんは「変わっているねぇ」とスマホなどで写真を撮っていくなど、じわじわと人気を広げつつあるそう。9月21日にあるTwitterユーザーが紹介したところ、動物駅長のなかでも節足動物と珍しいことから1万回以上リツイートされるなど注目を集めていました。
ちなみに先代たちはどうなったかというと、初代てつちゃんは亡くなってしまいましたが、ほか3匹は大人に成長したので無事に海へ返したとのこと。よかった、食べられていなかった。3駅しかないローカル線の真ん中で、今日も伊勢エビ駅長は業務に努めます。平均睡眠時間は12時間らしいけど。
(黒木貴啓)
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