世界と日本の年平均気温
2016年の世界の年平均気温偏差(※)は+0.45℃で、統計を開始した1891年以降では最も高い値となり、3年連続で最高値を更新しました。世界の年平均気温は、長期的には100年あたり0.72℃の割合で上昇しており、特に1990年代半ば以降、高温となる年が多くなっています。
地域別では、北大西洋や北太平洋の一部地域等で低温となりましたが、ユーラシア大陸、北米大陸、太平洋熱帯域、インド洋など、広い範囲で顕著な高温となりました。また、月別では1〜4月及び6〜7月、季節別では冬(前年12〜2月)、春(3〜5月)及び夏(6〜8月)の平均気温偏差が統計を開始した1891年以降で最も高い値となりました。
日本でも2016年の年平均気温偏差(※)は+0.88℃で、統計を開始した1898年以降では最も高い値となりました。日本の年平均気温は、長期的には100年あたり1.19℃の割合で上昇しており、特に1990年代以降、高温となる年が多くなっています。
※年平均気温偏差とは1981〜2010年の30年平均値を基準値とし、平均気温から基準値を差し引いた値です。
年平均気温の変動の要因
近年、世界と日本で高温となる年が頻出している要因としては、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴い地球規模で気温が長期的に上昇する地球温暖化の影響が考えられとます。また、世界と日本の平均気温は、エルニーニョ現象等の数年〜数十年程度の時間規模で繰り返される自然変動の影響も受けています。
気象庁によりますと、2016年の世界と日本の年平均気温が高くなった主な要因としては、地球温暖化の影響に加え、2014年夏から2016年春まで続いたエルニーニョ現象の影響が考えられるとしています。
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