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やしろあずきの調査―― 明らかに燃えそうなことを何でSNSに投稿しちゃうの? 経験者に聞くネット炎上の理由と怖さ(前編)(2/3 ページ)

炎上はネットからリアルへと……。

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なんで炎上したの?


やしろあずきの調査

「ここからは結構プライバシーにも関わってきちゃう質問になるので、個人が特定されそうなワードに関してはぼかして書いてきますが……どう炎上したのか、炎上の経緯について聞きたいです」



やしろあずきの調査

「はい。Twitterを使い始めて少したって、ちょっとずつ使い方も分かってきて……そのころから有名人のアカウントを見たり、その人に対してリプライを送るのにハマってきちゃったんですよね」



やしろあずきの調査

「なるほど」



やしろあずきの調査

「最初は普通に感想とかをリプライで送っていたんですけど、まあ当たり前ですけど返事は返ってこなくて」



やしろあずきの調査

「まあそれはしょうがないですよね。ものすごく有名な人とか絶えずリプライ送られ続けているようなものだし……」



やしろあずきの調査

「なんだろう、それで有名人のアカウントって有名人が直接見ているものじゃないと勝手にどこかで思い込んじゃったのか、相手が本当にその人本人なんだっていう意識が欠落していたというか……めちゃくちゃな内容のリプライを送ったり、絶対に嫌がるだろって内容のこととかも送るようになってしまって」



やしろあずきの調査


やしろあずきの調査

「あー……」



やしろあずきの調査

「それでこう、バーっと……」



やしろあずきの調査

「炎上したわけですね」



やしろあずきの調査

「しましたね……はぁ、やっぱり思い出すと嫌な気分になっちゃいますね。当時の自分に対してですが……」



炎上中はどんな感じだった?


やしろあずきの調査

「炎上したって気付いたのはやっぱり通知がすごかったから?」



やしろあずきの調査

「はい。でも僕はTwitterの通知を元々切ってたんですよ。なので朝起きたら友達からLINEがめちゃくちゃ来てて、『お前やばいぞ!』って……」



やしろあずきの調査

「うわあ、朝起きたときそういうLINE来てると一瞬で心臓が破裂しそうになりますよね。出社を忘れてたときとかよくあったな……」



やしろあずきの調査


やしろあずきの調査

「出社って忘れるものなんですか? まあ、それで何がなんだか分からずにTwitterを見たら……フォロワーがめちゃくちゃ増えてて、例の……炎上する原因となったツイートもありえないくらいにリツイートされてて……」



やしろあずきの調査

「何が起きてるか分からなかった?」



やしろあずきの調査

「数分間は携帯の前でどんどん拡散されていくツイートを見ながら呆然としてました……。でも、だんだん頭の中が冷静になるにつれて、ああ……やっちまった……って」



やしろあずきの調査

「そこで炎上してしまったっていう自覚が芽生えたわけですね」



やしろあずきの調査

「はい、でも正直混乱してて、どうしていいか分からず……友達にLINEで相談したら『とりあえずツイート消せ!』って言われて、すぐにツイートを消しました。ツイートを消すことができるってこと自体忘れるほど混乱してましたね……」



やしろあずきの調査

「なるほど、炎上の火の元を消してしまおうと。ツイ消しですね。でもそれで『はい、炎上終了』ってことはないですよね……」



やしろあずきの調査

「そうなんですよね。今となってはあの時謝罪もせずにツイートを消したのは間違いだったとも思います。でも当時はツイ消ししてちょっと安心もしてました。消したしこれ以上は大丈夫だろう……という」



やしろあずきの調査

「でもそうではなかった」



やしろあずきの調査

「はい……むしろ消した瞬間『逃げたぞ!!!!』って認知されたみたいで……いや、実際逃げたんですけど、火の元のツイートのキャプチャー画像とか無限に送られ続けてきたし『逃げるなクソガキ』みたいなリプライももう1分間に何通も来て……自分が悪いって自覚はもちろんあったんですが、めちゃくちゃ怖かったですね……」



やしろあずきの調査


やしろあずきの調査

「まあ、そりゃ怖いですよね……」



やしろあずきの調査

「当日、学校もあったんですがさすがに行ける気持ちじゃなくて、休んでずっと布団の中で携帯を見て震えてました」



やしろあずきの調査

「Twitterで謝罪するって考えとかは特になかったんですか?」



やしろあずきの調査

「はい……というか、自分からもう発言するのが怖すぎて……ツイ消しだけであんなになってしまったのだから、何か発言しようものならどうなるんだ……って、何もできなくなってしまいましたね。そうしたら友達の1人からLINEが来て『もうアカウントを消すしかない』って」



やしろあずきの調査

「垢消しですね。炎上した人は大半こうなる」



やしろあずきの調査

「ですね。その友達は『垢消しは最後の手段』みたいな感じで言ってたんですが、多分そいつはTwitterで結構フォロワーとか多いからアカウントの価値観が僕と違ってて……僕はもう『そうだ、消せるんだ!! 今すぐ消そう!!!』って感じですぐにアカウントを削除しました」



やしろあずきの調査

「何のためらいもなかったんですね」



やしろあずきの調査

「はい。消してしまえば見なくて済むし、拡散だってしようがないと思いまして……でもそんなに甘くなかったです」



やしろあずきの調査

「あれ? でもアカウントを消したら完全勝利! とかネットで騒がれて炎上が終わるパターンも結構ありませんか? まだ終わらなかったんだ」



やしろあずきの調査

「多分、それは表面上ですね。僕の場合もネットだと『あいつアカウント消して逃亡! 完全勝利!』みたく言われてたと思います。ネット上で一見鎮火したように思えても、こっちはリアルがありますから。ネットの炎上はリアルに燃え移ってからが地獄です



やしろあずきの調査

「そうか……リアルではアカウントとか消しようがないですもんね、逃げられない」



やしろあずきの調査

「リアルでアカウント削除といったら自殺するしかないですね」



やしろあずきの調査

「めちゃくちゃ怖いこと言わないでよ」



やしろあずきの調査

「で、まあTwitterのアカウントを消したあと何があったかっていうと、本名や学校、住所まで特定され公開されたんですね。まあ名前とかは元々自分で公開してたんですが……」



やしろあずきの調査

「うわあ……」



やしろあずきの調査

「Twitterのアカウントを消したことで終わったと僕は思っていたんですけど……やっぱりちょっと気になって全然適当な名前でTwitterのアカウントを作り直し、自分の名前で検索してみたんですよ」



やしろあずきの調査

「ほうほう」



やしろあずきの調査

「そしたら、僕の関係者しか知りえないような情報も出回っていて……。真相は分かりませんが、身近な人が情報の出どころなのかもと思って。……もう頭が真っ白になりました」



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