少子高齢化が進む日本。労働力不足と年金制度崩壊の危機に直面した政府は、ついに猫の手を借りる「猫の手拝借法」を制定します。カレー沢薫先生のネコ漫画『猫工船』は、1年の強制労働を課せられたネコたちの日常を描いたゆるゆるブラック超大作です。
「猫の手拝借法」に従って群馬県の孤島にある「ネ工場」に集められたネコたちは、丸太をかく、毛布をふむなどさまざまな労働に従事しています。海がないはずの群馬県の孤島とは? この仕事内容にどんな意味があるのか? いきなり謎が押し寄せますが、ネコの前では些末な問題です。
お給料の支給は「ネコジンバブエドル」。これは「ネ工場」内とFXでしか利用できず、一般社会には流通していない通貨です。これアカンやつや! って一発でわかる設定とネーミング、絶妙ですよ。
飼い主のおばあちゃんに仕送りをしたいミケは迷いなくFXに挑み、早速追証をくらって給料全額と一部の体毛をむしられ、さらに「ネ工場」内の闇金で借りたお金をバイナリーオプションにつぎ込んでケツの毛までスッキリいかれてしまうのでした。
莫大な借金を背負って労働期間を2兆年ほど伸ばしたミケは、仕事にいそしんでは英国ポンド1点買いをキメまくり、他の労働ネコとの友情を築いてそこそこ楽しくがんばっていきます。なお、ポンド1点買いについては現実的とは言えない戦法なので気を付けてほしい。
ここまで誇張なく原作通りに紹介してきた『猫工船』、単行本1巻が6月30日に発売されています。雑誌連載分の他、エッセイ漫画『ギスギスへんしゅうコロス』も収録。社会の闇を好む皆さんへの訴求力が著しく高い、キワッキワの1冊です!
なお、同作のグッズ作りなどを目的にしたクラウドファンディングも8月30日まで実施中。当初の目標額70万円は既に突破していますが、真の目標は「2兆円」とのことでまだまだ受け付けています。
(C)Kaoru Curryzawa 2017
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こう見えても、実際の水族館を取材して作りこまれた本格派漫画です。