伝統を守りつつ変化する――ディズニー観が変わるイベント「D23 Expo 2017」を見てきた（2/4 ページ）
「スター・ウォーズ」の新エリアに波紋を呼んだ「カリブの海賊」の変更、変化を続けるディズニーをイベント「D23 Expo 2017」で見てきました。
その中でもとりわけ異質だったのが、ディズニー・アニメーション・スタジオが2018年11月21日にアメリカで公開予定の「Ralph Breaks the Internet: Wreck-It Ralph 2」。原題だと分かりにくいですが、日本では「シュガー・ラッシュ」として公開された作品の続編です。
シュガー・ラッシュは「ゲームの中の世界」を舞台にしたお話で、セガのソニックやコナミのQバート、カプコンのリュウ＆ケン（ストリートファイターII）、任天堂のクッパ（スーパーマリオブラザーズ）などの豪華なカメオ出演が話題でした。しかし今回の2では、残念ながら（？）ゲームの世界ではなく、“インターネット”の世界が舞台です。
D23 Expo 2017の発表を伝える映画系のニュースでは、この作品で「ディズニープリンセスが大集合！」というレポートを掲載していました。多分これは現地に行った人でないと意味が分かりにくかったのではないかと思います。D23 Expo 2017では、特別にこの「Ralph Breaks the Internet: Wreck-It Ralph 2」のワンシーンが公開されました。その中で、前作主人公のラルフとヴァネロペが、ゲームセンターに新たに接続されたデバイス「無線LANルーター」を見つけます。2人がそこに入ると、なんとインターネットの世界に投げ出されてしまうのです。
インターネットの世界にいたのは新キャラクターの「Yesss」（イエス）。彼女はガイドツアー役として、インターネットの世界を紹介します。そこで最初に連れて行かれたのが、なんとディズニーが運営するサイト「Oh! My Disney」。
このサイトはディズニーのコンテンツがたくさん詰まっています。そのサイトの“裏側”を、前作同様にコメディータッチで描いていて、その中にはなんと歴代ディズニープリンセスが集う「控え室」があり、プリンセスでもあるヴァネロペがその部屋に迷い込む……というシーンがあるのです。そのシーンはまさに抱腹絶倒。白雪姫から最新のモアナまでがそろい、いったい何を話していたのかは劇場公開をお楽しみに。ちなみにOh!My Disneyでは、マーベルやスター・ウォーズ、グッズなんかも全て取り上げられています。ということは……。
もう1つ驚きだったのは、2019年7月19日にアメリカ公開予定の実写版「ライオン・キング」のテスト映像です。これは先に公開された実写版「ジャングル・ブック」の監督、ジョン・ファブロー氏による最新作です（ちなみにですが、ジョン・ファブロー氏は俳優としても活躍していて「スパイダーマン：ホームカミング」でもハッピー・ホーガン役で出演しています）。
今回公開されたライオン・キングのテスト映像は、1994年に公開されたアニメ版ライオン・キング冒頭部分を、実写と見間違えるほどのクオリティーのCGで“完コピ”していました。これには来場したマニアたちも大歓声。先の作品ではキャッチコピーとして「少年以外、全部CG」とうたっていましたが、今回は全てがCGになるのではないかと思います。ジョン・ファブロー氏が登場し、ライオン・キング製作に当たって監督のオファーを受けた後に最初に確認したことは「次のD23 Expoはいつだ？」だったとのこと。今回の映像はおそらく門外不出で、D23 Expo 2017に参加したファンのためだけに公開されるものになるのではないかと思います。
さらに、会場では2018年5月公開予定のマーベル作品「アベンジャーズ：インフィニティ・ウォー」の予告が公開されました。内容はネタばれになる要素だらけなので書けませんが、これまでの集大成になる大変重要な作品です。こちらも楽しみですね。
カリブの海賊にみる「ディズニーランドは永遠に完成しない」
そしてもう1つ注目していたのは、話題になっていた「カリブの海賊」のアップデートです。ディズニーランド・パリ、ディズニーランド、そしてウォルト・ディズニー・ワールドの「カリブの海賊」で、“レッドヘッド”と呼ばれるお嬢さんがオークションにかけられているというシーンにアップデートがかかり、女海賊が盗品をオークションするというストーリーに改められるという点に注目が集まっていました。
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