米MIT、「読み込みによる動画の再生ストップを減らす人工知能」開発 オープンソース化で視聴が捗るようになるかも
従来のシステムよりも、リバッファの発生率が10〜30%低減。
ネットで動画を視聴している最中に、読み込みで動画がストップしてイライラ。そんな問題を人工知能で解決してくれるシステムが、MIT(マサチューセッツ工科大学)などによる研究チームから発表されました。
動画のストリーミング配信でリバッファ(再生中に読み込みモードに入り、動画が止まる)が発生するのは、再生中に小分けにした動画データを送信してもらう仕組みを採用しているから。回線速度が遅いとデータの準備が間に合わず、スムーズに視聴することができなくなってしまいます。そのため、YouTubeをはじめとしたサービスでは、状況に応じて動画のビットレートを下げ、リバッファが起こらないようにするシステムが導入されているのですが……いつも完璧に機能してくれるわけではありませんよね。ビットレート低下による動画品質の悪化という別の課題も存在し、なかなか難しいというのが実情のようです。
研究チームが開発した「Pensieve」は、機械学習、ニューラルネットワークの手法を用いて、回線状況に基づき最適なビットレートに調整してくれるシステム。この作業は従来、「人間のエキスパートによる注意深いハンドチューニング」で行われていましたが、そこに人工知能を取り入れることで、リバッファの発生率を10〜30%低くすることに成功したといいます。また、カスタマイズにも対応しており、電波の届かないところに行きそうなユーザーのビットレートを落として、データを十分に読み込ませる、動画前半よりも後半のリバッファ発生率を下げるといった工夫もできるとのこと。
研究チームはちかく、米国ロサンゼルスのカンファレンスで論文を発表し、「Pensieve」をオープンソース化する予定。今後は、よりデータ量の多いVRコンテンツへの応用を目指したプロジェクトに取り掛かるとしています。
(マッハ・キショ松)
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