ニチアサ改編でプリキュア人口が増える? 「さあ、プリキュアを始めよう」:サラリーマン、プリキュアを語る(2/2 ページ)
「プリキュアの数字ブログ」の管理人・kasumiが、毎週プリキュアの魅力をお届けします。
プリキュアを全く知らない人のための超基礎知識
まずは「当たり前すぎて逆にほとんど触れられないレベル」の基礎知識です。
プリキュアの基本の基本の基本
- テレビ朝日系列で、日曜日朝8時30から放送
- 1年で1作品。毎年2月に新シリーズが始まり、翌年1月末に終わる
- これまで14年間で14作品が作られている
- 毎年、キャラもストーリーも一新されるので、前作を知らなくても楽しめる
- メインターゲットは女児である
- 大人のファンもたくさんいる
- 女性のファンもたくさんいる
- 映画が年2回(春と秋)に公開される。春はお祭り映画、秋は単独映画
- 主人公は中学生の女の子
- 物語は王道展開。主人公サイドが最後には勝つ。悪者が勝つことはない
- 基本的に、「鬱(うつ)展開」や「人が死ぬ」などマイナスな描写はない
- 「鬱(うつ)展開は無い」と書くと「あるじゃねーか」というツッコミがすぐに入る程度には語りたい大人のファンも多い
プリキュアは超一流のスタッフたちが、子どもを喜ばせることだけを目的に、頭をフル回転しながら真剣に作っている。そんなアニメーションなのです。
プリキュアは実況文化が盛ん
実はプリキュアシリーズ、Twitterによる実況(アニメを見ながらリアルタイムでつぶやく)が盛んです。日本のアニメの中でもトップクラスでTwitterによる実況数の多いアニメなのです(これは深夜帯や夕方などではなく、日曜の朝、という比較的実況しやすい環境であることが要因の一つだと思われます)。
プリキュアは「Twitterのトレンド」の常連でもありますね。例えば、9月17日9時には「#precure」(2万7615ツイート)、「#プリキュア」(3万4835ツイート)といったワードがトレンド入りしていました。
現在、放送されているのは「キラキラ☆プリキュアアラモード」
2017年2月から放送されている最新作が第14作目にあたる「キラキラ☆プリキュアアラモード」です。「スイーツ」と「アニマル」をテーマに、「うさぎ」と「ホイップクリーム」を合わせた「キュアホイップ」を始め、個性豊かな6人の少女が、スイーツを作る人の思いが具現化した「キラキラル」をめぐって悪者と対峙します。
5人のプリキュアでスタートして、7月には、6人目「キュアパルフェ」が加わり、ますますお話が盛り上がってきました。
左から、琴爪ゆかり(キュアマカロン)、立神あおい(キュアジェラート)、キラ星シエル(キュアパルフェ)、宇佐美いちか(キュアホイップ)、有栖川ひまり(キュアカスタード)、剣城あきら(キュアショコラ)。手前にいるのが妖精のペコリン
10月以降は「最終アイテム」も手にいれ、物語が佳境に入っていきます。楽しみですね。
子どもたちには、ちょっとミステリアスなお姉さんキャラ、ネコとマカロンをモチーフとした「キュアマカロン」が大人気のようですね。一部の大人たちはそのキュアマカロンこと「琴爪ゆかり」と、キュアショコラ「剣城あきら」の関係にヤキモキしています。
子ども向けアニメだからこそ、描くものがある
プリキュアというアニメーションは、メインターゲットが女児であるため、一見わかりやすい勧善懲悪の物語が展開されています。
しかし、その根底には子ども向けとは思えない、いや、子ども向け「だからこそ」しっかりとした深いテーマがひそんでいるのです(製作者サイドのインタビューなどでも「プリキュアは、お父さんお母さん含めた大人がみても楽しめるストーリーにしている。ただし大人にこびることはしない」という旨の言及がされています)。
個人的には「キラキラ☆プリキュアアラモード」は「個性」と「自立」の物語ではないか、と思っています。
「Go!プリンセスプリキュア」(2015年)は「お姫様というジェンダーロールからの解放」。「魔法つかいプリキュア!」(2016年)では「多様性が認められる世の中」が根底テーマにあったものと思われます。
そこに、「キラキラ☆プリキュアアラモード」(2017年)では、「それぞれの個性を認めて、自分の力で立ち上がる」ことが物語に内包されているのが伺えます。
ここ数年のプリキュアのテーマとしては、「“女の子はこうでなくてはならない”という呪縛からの解放」から「いろんな思い、いろんな考え、いろんな性別、いろんな個性があるよね。それはステキなことなんだ」ときて「その個性を認めて、自分は自分の思う通りに行動しようよ。自分の力でね」という積み重ねの流れがあるように思います。
プリキュアは「女の子向けアニメ」である以上避けて通れない、子育てや料理、おしゃれといった「女の子のジェンダー規範」を描きながらも、そのジェンダー規範を全否定するのではなく、内包し、昇華し、「自分らしく生きていく」ことを小さな女の子に向けて発信しているのです。……などといった考察も、Twitterをはじめネットなどで熱い人が熱い展開をしているのです。面白いですよ。
さあ、プリキュアを、始めよう
プリキュアのメインターゲットは小さな子どもたちです。子どもたちの笑顔のために、つくられている作品です。
我々大人は子どもに迷惑を掛けないよう「外野から楽しむ」のがマナー。しかし言い換えれば、外野からなら思いっきり楽しんで良いのです。
友人関係がうまくいかない、学生さん。
働くことに、ちょっと疲れちゃった社会人さん。
「努力が報われない」と嘆く、そこのあなた。
プリキュアは、そんなあなたを勇気付け、励まし、そしていやしてくれます。
どんなに傷ついても、何度でも立ち上がる少女たち。仲間を信じ、他人を信じ、自分を信じ、時には敵をも救済しようとする少女たち。ど直球の正論を吐き、疑うことなく行動する少女たち。
キレイごとだと、バカにしてはいけません。そんな思いで彼女たちは、この13年で13回も地球の危機を救ってきたのですから。
「世界情勢把握のためにヒガシの番組を見てたら、始まっちゃたから仕方なく見た」という言い訳はできています。
あとは、一歩踏み出すだけなのです。
僕と、プリキュアを語り合いませんか。
さあ、プリキュアを、始めよう。
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