今日は「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」の発売日みたいですね。前回こういった記事を書きました。
好評だったらギャルゲー編を書いてくれと言われていたので、今回はギャルゲー編です。前回の記事で「ギャルゲーは別に書きます」と明記したのに「サクラ大戦はどうした」と怒られ続けたので、もう少し文字を読んでもらえると助かります。
サターンと言えばギャルゲーです。当時のギャルゲー事情を語るに至便な資料として『ゲーム批評 Vol.16』(1997年)があります。残念ながらこの号はAmazonですら取り扱われていないので入手が困難ですが。
同号はギャルゲーブーム特集で、ゲーマーからの賛否両論を載せています。セガ広報の竹崎氏によるインタビューでは「一部のサターン専門誌やファンが望んでいるだけで、セガサターンのみにギャルゲーが偏っている訳ではない」と、ギャルゲー目当てでサターンを購入した中学生の言い訳のような意見が出されてされていますが、かなしいことに数字はウソはつかず、プレステに比べたサターンのギャルゲーの比率は2倍近く多かったりします。
みんなえっちなゲームが大好きな訳ですね。この時代はサクラ大戦ブーム真っ盛りなこともあり、取りあえずギャルゲーを出せば3万本は売れたそうです。その所為で「美少女を出せば良いという安易な考えでは作品の質が落ち続けていく」と美少女ゲーム業界を真に憂う者の存在が当時から確認できます。
セガサターンのギャルゲー 10選
ということで、今だからプレイして欲しいセガサターンの美少女ゲームたちの話です。
1.野々村病院の人々/エルフ(1996)
サターンのギャルゲーといえばelf作品を挙げる方も多いでしょう。「同級生」「下級生」「YU-NO」「野々村病院の人々」……どれもギャルゲーを語る上で外すことのできないヒット作です。
アダルトゲーム「河原崎家の一族」の続編的な立ち位置の作品。シナリオライターはおなじみ蛭田昌人氏であり、同級生のような純愛モノとは違ったゲームを目指しただけはあり、陵辱的な要素や性的なシーンが強めです。
原作のアダルトゲーム時代から性的な要素をふんだんに組み込んだだけはあり、サターン版でも乳首が見られます。サターンで乳首が見れるゲームは20本程度ありますが、そのほとんどが野球拳や麻雀など、元から脱衣がメインのゲーム性なのでこれはうれしい。
何度もゲームオーバーになっては新たなヒントを得て、ストーリーを地道に攻略していく快感を是非味わってください。
2.きゃんきゃんバニープルミエール/カクテルソフト(1996)
補足としてギャルゲーシステムながら乳首が見える作品には「きゃんきゃんバニープルミエール」もあります。こちらと野々村病院はX指定という規制がされているのですが、セガ側もまさか乳首まで描かれると想定していなかったのかすぐに廃止。これ以降はいくら性的な要素を含むシナリオでも乳首は描かれなくなりました。つまりきゃんバニと野々村病院は怒られる前にやっておこう! という攻め攻めな作品なのでした。
内容としてはいつも通りスワティが現れ、街の女の子と恋愛に発展し……とオーソドックスな恋愛ゲーム。
3.ROOMMATE/データム・ポリスター(1997)
プレイステーションではできない、セガサターンならではの美少女ゲームという意味ではトップに入る作品。
サターンの内蔵時計とゲーム内時間がリンクし、ルームメイトである井上涼子と日々を過ごしていくわけですが、当然彼女は学校に通ったり就寝したりするので、オタク特有の不規則な生活をしているとなかなかイベントが発生しません。あまり会わずに居るとどこかへ消えてしまいます。面倒な女ですね。
4.ゆみみみっくすREMIX/ゲームアーツ(1995)
竹本泉先生のイラストがアニメーションするありがたい作品。ストーリーは王道なドタバタモノですがひたすらにかわいい。マルチエンディングではありますが、分岐するのは最後の最後。例によってセガサターン時代のゲームらしく、ボイスが飛ばせないので非常に面倒くさい。これと「銀河お嬢様伝説ユナ」が、ボイス飛ばせなくて面倒なゲームの二大巨塔です。
サターン版ではパズルゲームが追加されクリアするとおまけイラストが拝めるのですが、このとってつけた感満載の全くやりごたえのないパズルには逆に感動させられます。なんにせよ竹本泉先生の魅力が詰まった一作。
5〜7.DESIRE 背徳の螺旋/シーズウェア(1997) EVE burst error /シーズウェア(1997) この世の果てで恋を唄う少女YU-NO/エルフ(1997)
美少女ゲーム界に多大な影響を与えた菅野ひろゆき(剣乃ゆきひろ)三部作。今ではどれもリマスター版やリメイク版が存在するので、入手難易度は低いです。
複数の視点を行き来し物語を収束させていく構成や、平行世界の概念を導入したシステム&ストーリーは、美少女ゲームのゲーム性が失われてきた今だからこそプレイするべきです。
面倒になってきたので詳しくは過去記事を参照してください。
8.湾岸トライアル LOVE/パック・イン・ビデオ(1998)
「湾岸トライアルLOVE」は、まさかのレースゲーム要素と恋愛要素を悪魔合体させたような作品。シナリオの途中まではあまりレースと関係なかったりと、両方の良いところどりしようとしたら、どっちつかずになったような作品。いろいろな意味で「レーシングラグーン」が好きな方には合うと思われます。お勧めはしません。
セガサターンの多様性を感じる一作です。派生タイトルの「湾岸トライアル」は実写。
9.サクラ大戦/セガ(1996)
ここまで有名作だと特に言うことはないです。やりましょう。1、2ではアイリスが、3ではコクリコが好きです。
何の関係もない話ですが、この前「シンデレラガールズで花札覚えたんだよねー」と話してきたオタクに、「自分はサクラ大戦で覚えたよ」と返した時の強者っぽさが気持ちよかった。
さらに関係ない話ですが、これは一時期流行した妊娠検査薬コラの元になった、さくら役の声優横山智佐さんがブログに掲載した自撮り画像です。せがた三四郎と桜の下ではしゃいでた頃から随分変わりましたね。
10.慟哭 そして…/データイースト(1998)
「慟哭そして…」もリマスターされますね。サターンのゲームではかなりやり込んで思い出深い一作。バス事故で数名の男女が怪しげな館に閉じ込められるという、脱出ゲーム。横田守氏によるシリアスな原画や、サターン特有の不安になるBGMが合わさり不安を煽っていく画面が魅力。
このゲーム移動が独特でして全て1つずれた動きをするというか、分かりやすく言うと左を押すと上に進み、上を押すと右に進みます。
クリアするだけなら1、2周目でもできる方が多いと思いますが、いかんせんこのゲームは放っておくとどんどんヒロインが死んでいきますので、全員連れて脱出するには相当な根気が必要です。そのために開幕で全く関係なさそうな蛇口をまわしたり、ヒロインの靴に張り付いたガムを木の棒でとったりなど、一見何の意味もない行為を何度も何度も繰り返さないといけません。
主人公もどこかおかしく、溶解液くらい便利そうなアイテムを拾わないくせに、水槽の蓋や甲冑の腕はなぜかちゅうちょなく拾っておくという常人には理解できない感覚の持ち主。
一筋縄ではいかない脱出要素に、横田守氏により描かれた美しい少女たち。もしミニセガサターンが出たり(そもそもミニセガサターン出たとして美少女ゲームを入れるのかは不明ですが)、リマスターが発売されたら際にはプレイして欲しい一作です。
他にも「慶応遊撃隊」「バトルアスリーテス大運動会」「ふしぎ戦隊メタモルV」「黒の断章」など、話したいサターン作品はたくさんありましたが、今回はこれまで。
(にゃるら)
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