米ワイオミング大学動物生態学部に所属するLauren Stantonと研究チームは、イソップ寓話「カラスと水差し」のように、アライグマが水の中に石を入れて水位を上げ、浮かんできたエサを取ることができるという研究成果を公開しました。
「カラスと水差し」は「乾きに苦しむカラスが細長い水差しを発見、その中の水を飲もうとしたところ、水がほんの少ししか入っておらずクチバシが届かなかった。だがカラスは頭を使い、水差しの中に小石を入れて水位を上げ、水を飲んだ」というお話です。
同大学が公開した動画では、アライグマがこのお話のように、水の入った細長いパイプに石を入れ、浮かんできたエサ(マシュマロ)をつかみ取る様子が見られます。
これは捕獲した8頭のアライグマに訓練を施し、石を拾って水の中に入れるとエサがつかめる、ということを覚えさせた、アライグマの手先の器用さと好奇心を利用したものです。
ただし、研究チームによれば「アライグマは“石を入れると水位が上がる”と理解したのではなく、ただ“パイプに石を入れればエサがつかめる”と学習しただけ」なのだといいます。
その証拠に動画内でのアライグマは、もう一方の水ではない物体が入っているパイプにも石を入れ、その直後にエサを取ろうとしています。また撮影はされていませんが、水位を理解していればより重いものを入れようとするはずが、特にそういった傾向が見られなかったといいます。
これに関しては「訓練時間が短かったのが原因で、もう少し時間を掛ければ水位の概念を理解するかもしれない」と解説しています。
研究チームは今後もアライグマのみならず、さまざまな方法で数多くの動物の認知に関する研究を続けていく、とのことです。
(たけしな竜美)
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