引越しや大掃除のときに役立つ、不用品の買い取りサービス。有料で回収してもらうことで、処分費用の軽減につながります。ネット上を調べると不用品買い取り業者の情報がたくさん見つかりますが、サービス内容の違いがよく分からず、困ってしまう人も多いのでは? 今回はそんな悩みに答える、各種買い取りサービスの違いと選び方を分かりやすく説明します。
2017年12月19日追記:テレビ、冷蔵庫、洗濯機、衣類乾燥機、エアコンは家電リサイクル法の対象品のため、一般の不用品回収業者に引き渡すことはできません。家電リサイクル券を取り扱っている家電販売店か、お住いの自治体に相談してください。
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不用品買い取りサービスの共通点
不用品の回収、買い取りサービスを行う業者はさまざま。不用品回収業者に加え、リサイクルショップ、引越し業者などもサービス提供しています。よくある買い取りの条件は
- 回収品の中で、買い取り可能な物があれば買い取る
- 買い取りが可能な物のみ査定して引き取る
というもの。「依頼すれば必ず買い取ってくれるわけではない」という点を、しっかり頭に入れておきましょう。
また、料金形態などは、業者によって異なります。それぞれの特徴を把握してうまく利用すれば、よりお得に不用品が処分できます。
不用品回収業者の特徴
不用品回収業者は、危険物以外のさまざまな不用品を有料で回収してくれます。業者によっては、1点から対応してくれることも。
買い取り可能な不用品があった場合は査定を行い、回収費用から買い取り金額を差し引いてくれます。もちろん買い取り金額の方が高い場合は、回収費用が相殺され、利益を得ることができます。ただし、高価買い取りにはブランドや使用年数、市場価値の有無といった条件があります。
不用品回収業者の料金形態は、主に以下の2種類です。
- 基本料金(出張費)+各品目の料金+オプション料金
- 各品目の料金+オプション料金
通常の場合、基本料金の有無は、料金交渉の可/不可で異なります。業者によっては細かい料金設定がない代わりに、料金交渉が可能なことも。中には、基本料金の交渉に応じてくれる業者もいます。
回収料金の相場は、以下の通り。実際の料金は品目の大きさなどによって異なるため、目安として参考にしてください。
<回収料金の相場>
- 基本料金:3000〜5000円
【各品目の料金】
- 白物家電:4000〜1万円
- 黒物家電:4000〜8000円
- 寝具:2000〜5000円
- リビング家具:3000〜7000円
- 収納家具:4000〜6000円
【オプション】2000円〜
- エレベーターの有無
- 解体、吊り下げ作業の有無
- 土日祝日、時間外料金
買い取りの可/不可、回収料金については、依頼前に確認するようにしましょう。ネット上での料金シミュレーション、電話見積もりが利用できる業者なら、家電などの金額をメーカーや品番、状態から事前に割り出すことができます。なお、不用品が多数ある場合を除き、「実際に見なければ金額が出せない」と訪問見積もりを迫る業者には注意しましょう。
詳細な買い取り条件は業者によって異なりますが、下記のようなものは買い取りしてもらえない可能性があります。
- 完全に破損していて使えない
- ニーズがなく、中古品として再利用するのが難しい
- 衛生上、再利用が難しい(下着やピアス、マットレスなど)
- 汚れや傷、臭いがある
- 製造から6年以上たっている
リサイクルショップの特徴
リサイクルショップは、回収した不用品を再販売することを目的に、買い取りを行っています。
買い取り可能品目が幅広く、ブランド品や古着専門のショップがあるのが特徴。また、実店舗を構えていることが多く、持ち込みができる場合は出張費をかけずに処分できます。高級ブランド品や最新の電子機器、輸入家具などは、専門の査定スタッフがいるショップに依頼するのが良いでしょう。
持ち込みができない場合でも宅配買い取り、出張買い取りが可能。最近はネット専門のリサイクルショップも増えてきており、店舗費用がかからない強みから出張費、送料の無料化、高価買い取りをしていることもあります。
<高価買い取りの対象となる不用品>
- 最新家電、高級家電
- 高級家具、輸入家具
- 楽器
- ベビー用品
- 喪服
※買い取り可能な品目、個数には条件があります。各ショップのサービス内容を確認しましょう。
市場価値が高くニーズがある不用品は、高価買い取りの対象となります。使用頻度が少なかったり、使用感が弱かったりして状態の良いものは、特に高く売れる可能性があります。
リサイクルショップは二次販売できるかどうかを重視するため、回収に対応していないことも。買い取ってもらえるか分からない場合は、依頼前に確認しておきましょう。
引越し業者の不用品引取りサービスの特徴
引越しと不用品回収を一度に依頼できるのが、引越し業者の不用品回収サービスです。出張費がかからないため、回収料金を低く抑えられるのがメリット。また、リサイクルショップへの持ち込み、出張買い取りなどの時間がないときにも便利です。
回収可能な品目は引越し業者によって異なり、家具や家電に加え、書籍や衣類といったダンボール詰めの不用品を買い取ってくれる場合も。その他、チェックしておきたいのは
- 買い取りの可/不可
- 引越しとセットに使うことで回収料金が無料、もしくは格安になるかどうか
※家電リサイクル法により、料金の支払いが定められている家電は無料にはなりません。
といったポイント。利用する業者を決める前に押さえておきましょう。
業者の選び方
どの業者に依頼すべきかは、不用品の量や個数、市場価値によってケースバイケース。複数社に見積もりを取るのが確実ですが、当記事では参考までに状況別のおすすめをご紹介します。
<こんな場合は不用品回収業者がおすすめ>
- 不用品に破損、傷、汚れ、臭いがある
- 再利用できない物が多い
- 不用品が1点〜少量しかない
- 不用品が大量にある
- 搬出が難しい
- 不用品が多く、「トラック積み放題プラン」などを利用したい
<こんな場合はリサイクルショップがおすすめ>
- 雑貨や衣服などの小物が多い
- ブランド品や骨董品、美術品、輸入家具などの高級品がある
- まだ使える楽器がある
- 再利用が可能な物が多い
- ショップに持ち込みができる
- 未使用品、状態が非常に良い不用品がある
<こんな場合は引越し業者がおすすめ>
- 引越し当日まで家具家電を使いたい
- 不用品が1点〜少量しかない
- 回収してほしい物が一般的な家具家電のみ
※サービス内容や料金などの詳細は、個々の業者にご確認ください。
不用品の種類が多く、大型家具から小物まである場合は、複数の業者に依頼するのも手。明らかに再利用できない物は不用品回収、高値で売れそうな物はショップに持ち込むなど、不用品の状態に合わせて依頼する業者を変えるのも有効です。
業者選びの注意点
不用品回収業者を選ぶときは、悪徳業者に要注意。優良業者を見分ける基準の1つとして「行政認定の許可を持っているかどうか」というものがあげられます。サービス内容によって必要な許可は異なり、大きく3つに分けられます。
- 不用品の買い取り:古物商許可
- 有料不用品回収(一般家庭):一般廃棄物収集運搬許可
- 有料不用品回収(事業者):産業廃棄物収集運搬業許可、事業系一般廃棄物収集運搬業許可
これらの許可番号が、Webサイト上などにきちんと記載されているか確認しましょう。また、利用者の口コミや電話対応なども業者選びの大事な材料となります。業者によって買い取り金額や回収費用に大きく差が出るため、できるだけ複数の業者を比較するようにしてください。
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