果物や石鹸を美しく彫る指先の魔術師がネットで注目を集めています。TwitterやWebサイトで作品を公開しているのは、「atelier SATOカービング教室 」主宰の佐藤朋子さん。
佐藤さんは、果物やせっけんに花、魚、細かな模様を彫ったカービング作品を公開しています。作品は、本人もお気に入りという炎の模様を刻んだりんご、スイカに彫った立体的なバラ、せっけんに彫った登り鯉など、細やかな手仕事が光るものばかりです。こうした魔法のような作品について、佐藤さんにお話を聞いてみました。
――とても緻密な繊細な模様ですが、1つの作品を作るのにどれくらいかかりますか
佐藤さん 作品のデザインによって異なりますが、だいたい時間から数時間といったところです。ファイヤーパターンのリンゴは1時間ほどででき、スイカに複雑な模様を彫るときでも3〜4時間で完成させるようにしています。素材が生の果物や野菜なので、即興性が必要になり、何日もかけるということは基本的にはありません。緻密なせっけん作品になると数日かけることもあります。
―― ファイヤーパターンのりんごはなぜ変色していないのでしょうか
佐藤さん りんごを彫る場合は、普通に食べるときと同じように塩水に浸けることで変色を防いでいます。時々浸けながら彫り進め、なるべく早く仕上げるようにしています。
―― どのような道具を使っているのでしょうか
佐藤さん フルーツカービングもソープカービングも、模様を彫るときに使うのはカービングナイフという専用の小さなナイフ1本だけです。
―― カットするのに難しいフルーツ、簡単なフルーツはありますか?
佐藤さん そのフルーツの硬さによって、美しく彫れるかどうかが違ってきます。例えばメロンなら、完全に熟した食べ頃より少し前の実がしっかり硬いものの方が、模様をシャープに彫ることができます。
佐藤さんは、学生のころから木工を中心に作品を制作していたそうで、2004年にフルーツカービングを知り、単身本場タイへ。帰国後、「atelier SATO フルーツ&ソープカービング教室」を開講し、カルチャー教室講師、イベントやテレビでの展示などに携わっています。他の作品は佐藤さんのWebサイトで見ることができます。数時間でこんなに細やかで美しい作品ができあがるなんて、もう、感嘆するしかありません。
画像提供:佐藤朋子(@atelier_SATO)さん
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トーストを食べながら眺めてみたい。