毛足の長いカーペットには、髪の毛やホコリ、食べカスなどのごみがたまりがち。さらに、湿気もたまりやすく、ダニが繁殖しやすい環境です。今回は、効果的な掃除機のかけ方や、ダニの生態、除去する方法をご紹介します。
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カーペットの掃除の仕方
カーペットの毛足の奥まで入り込んだごみを取るには、粘着シートよりも掃除機がおすすめです。コツは、毛の流れに逆らうように引きながらかけること。
フローリングのように押して引いてと往復させるのではなく、カーペットの上から下、下から上、左から右、右から左と全方向に引きながらかけると効果的です。
ごみをしっかり除去するためには、1平方メートルあたり20〜30秒ほど掃除機をかける必要が。急がず、ゆっくりと時間をかけて吸い取りましょう。また、ブラシなどでカーペットの毛を逆立たせ、ごみを浮き上がらせてから吸い取る方法も効果的です。
ダニの生態
<繁殖条件>
ダニは、人の垢やフケ、汗などをエサに成長するため、人がいるところには必ず生息しているといわれています。吸血しない種類もいるため、気付いてない人も多いかもしれませんが……残念ながら、あなたの家にもきっといるでしょう。
ダニの繁殖が活発になるのは気温20〜30℃、湿度60〜80%のとき。人間にとって適温適湿が保たれた部屋の中では、ダニの栄養分となるごみや、湿気がたまりやすいカーペットが格好の繁殖スポットになってしまいます。
<種類>
家の中に生息する主なダニはチリダニ、イエダニ、ツメダニ、コナダニの4種。ほこりや人の垢などを好むチリダニが増えると、それをエサとするツメダニも増加。ツメダニは人から吸血する種類で、刺されると皮膚が赤くはれ、かゆくなってしまうことも。
なお、吸血しないダニの場合でも死がいや抜け殻、フンがアレルギー疾患を引き起こす原因になるので、いずれにせよ注意が必要です。
<駆除は可能?>
ダニには、人間のフケ1グラムで300匹が育つほどの繁殖力、酸素が少ない場所や洗剤の中でも数時間耐えられる生命力があります。人の生活空間から、完全に排除することはまず不可能だと思われます。しかし、数を極力減らすことで、ダニに刺されたり、アレルギー疾患になったりするリスクを低下させることができます。
カーペットのダニを死滅させる方法
掃除機をていねいにかけても、生きているダニは鋭い爪をカーペットの繊維に絡ませてしがみつき、毛足の奥に残ってしまいます。しかし、ダニは熱に弱く、60℃以上では一瞬で、50℃では20〜30分ほどで死滅。そのため、高温でダニを死滅させた後に、掃除機で吸い取るのが効果的です。
<高温で死滅させる>
カーペットの一部だけを中途半端に温めるやり方だと、ダニが熱くない場所に移動してしまう可能性があります。60℃以上の高温で、一瞬で死滅させるのがもっとも効率的です。便利なアイテムは、スチームアイロン。温度を「高」に設定すれば、100℃にも達するスチームが噴射されます。
カーペットの焦げや変質を防ぐために、カーペットから数センチ離してスチームを当てるか、固くしぼった清潔なぬれタオルの上からアイロンをかけるようにしましょう。ササッと終わらせるのではなく、じっくり熱を浸透させるように少しずつ動かすのがポイントです。
<掃除機で吸引>
ダニを熱で死滅させたら、カーペットの毛足の奥に残った大量の死がいやフンを除去。残ったままにしておくと、カーペット上を歩くたびに、これらがほこりと一緒に舞い上がります。吸い込んでしまうと、アレルギー性鼻炎やぜんそくなどを発症するリスクも。先ほど紹介した方法で、ていねいに掃除機をかけましょう。
理想的な掃除頻度
ダニの寿命は2〜3カ月と短いのですが、1日1個の卵を産みます。少なくとも週に一度は、アイロンがけと掃除機がけをするのがおすすめです。
また、ダニはカーペットだけでなく家のあらゆるところに生息しているため、カーペットを掃除するだけでは十分ではありません。床にたまるホコリや髪の毛、フケ、食べかすなどもダニが繁殖する原因になります。特に抵抗力の弱い赤ちゃんや高齢者がいる家庭は、定期的に掃除するように心掛けましょう。
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