あの「進研ゼミマンガ」はどうやって作られているのか? 「女子向けは精神年齢高めに」「語り継がれる伝説の名作がある」など秘密を聞いた(3/4 ページ)
「この問題、ゼミで見たやつだ!」の裏側。
――女子だとテニス部が王道ですか?
テニスと吹奏楽が多いです。実際にやっている人数もそのあたりがトップですので。
――部活では、最後に成功して「やったー!」という展開になりますよね。手芸部などの成功したところが、浮かばないんですが……。
そこは考えるんですよ。将棋部だったら「王手!」とか。天体観測部だったら、めちゃくちゃキレイな星座がこうパーッと広がる感じとか。手芸部だったら、すごくすてきなぬいぐるみが出来上がるとか……地味かもしれませんが(笑)。
何年も語り継がれる名作も
――その年頃のこどもの文化を理解するためにしていることは?
最新の流行などを調べて研究しています。女子なら小学校高学年〜中学生ぐらいの子でもブログを書いていたりするので、それを読んだり、実際に会ったりして「最近はやりのアニメや、マンガは?」と聞いています。
――マンガはぜんぶ新作なんですか?
時代背景なども変わるので「まったく同じもの」はないですが、良い作品は伝説のマンガとして、毎年必ず参考にしています。良いものは常に人の心を打つので。
「これ、ゼミで見た問題だ!」
――ネット上では「これ、ゼミで見た問題だ」って、ネタフレーズのような形で人気があって、昔見たものが出てくると「進研ゼミメソッド」みたいに言われたりもしますが、そういったセリフは実際多いですか?
そうですね。たとえ似たように見える決めゼリフであっても、社員も毎回いろいろと表現や見せ方を工夫しています。
――最初に「0点」などではなく、「60〜70点」ぐらいの微妙に悔しい点数を取るのはなぜ?
まずリアリティの追求ですね。あと、低すぎる点数を取ったら、「オレより下には下がいるから、大丈夫だ」と子どもが思ってしまい、マンガの目的である「やる気を上げる」効果がなくなってしまうので。それに成績が良い子どもの場合は「80点」でも悔しいので。いつも100点を取っていた子どもだと。
――小学生ぐらいだと、わりと100点が普通だったりとかしますからね。
そうですね、100点がベースなので、85点でも悔しくなると。
社員の「実体験」と「理想の青春」がマンガに反映
ゼミのマンガには、大人が読んだときに、良い意味で青臭いとか、ちょっと青春チックなところがありますよね。実は作品には、担当者の実体験に基づいたものがあるんです。例えば……。
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