子猫と青年の創作漫画「君の人生全部を幸せにしてあげたい話」が、短編ながらも深く心に染みる展開で胸がいっぱいになります。
眼鏡の大学生といった見た目の青年が雨の降る夜中の帰り道に見つけたのは、屋根のない箱に入れて捨てられた一匹の黒い子猫。ずぶ濡れになって鳴くその姿と目が合い、気付けば家に連れ帰っていたその日の夜、青年は印象的な夢を見ます。
それはうれしそうに笑って走り回る、黒い服を着た黒髪の女の子の夢。もちろん起きて隣を見ると、一緒の部屋で寝ているのは黒い子猫です。それから時間はあっという間に過ぎていき、子猫がどんどん成長するのと同じく、夢の中の女の子もどんどん大きくなっていきます。
そして3年後、スーツを着るようになった青年が夢で見たのは「とんでもなく綺麗になっていた」彼女の姿。言葉を交わしたことはないけれど、小さい頃から見守ってきた不思議な感動と少しの高揚を感じ、それらの気持ちを一番近い言葉で「愛して―…」と伝えようとしますが……。
最後の言葉が出たのは目を覚ましてから。慣れたように飼い主を起こす美しい愛猫が、「なぁ〜おぅ」と鳴いては目の前でご飯を待っている日常がそこにはありました。
そんな忘れられない夢を見てからさらに月日が過ぎ、子猫も老猫になると夢に現れなくなった彼女。飼い主の足下に乗ってよく寝るようになった愛猫をなでながら、「例えどんなにおばあちゃんになっていても、きっと君は変わらず綺麗な筈なのに」と、その相手に伝えるように心の中で思う男性なのでした。
ヒトより早く成長する愛猫ですが、飼い主にとっていつまでもかわいくてきれいで大切な存在なのは変わらない。その気持ちに共感し、一方で「若くてきれいな姿だけ見せたい雌猫の乙女心」を感じて、さらに“彼女”が愛おしく思える、そんないろいろな感情が湧いてきて心が温かくなります。本当にタイトルの言葉がすべてだった……。
投稿したのは、Twitterでさまざまな漫画を公開している「かっく」(@cak221)さん。「猫だけじゃなくて、生き物を飼う事は無償の愛だなというお話」とツイートしているように、愛する“家族”を表現した内容に心打たれる人の声が多く寄せられ、「涙出てきました」「ステキなお話」と感動の声が上がる人気となっています。
かっくさんは他にもオチにほっこりする漫画「美女と猟師」を投稿して話題に。こちらはシリーズとして続編がだいたい週1で投稿されていて、まとめられたモーメントにて読むことができます。
画像提供:かっく(@cak221)さん
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