千葉県御宿の有名楽器メーカー、注文受けるも音信不通に? 逮捕の杉並区楽器店店長が代理店業務も(2/2 ページ)
有名バンドがオリジナル機材を使用していることでも知られる名店です。
「2016年秋ごろから連絡が付かなくなった」と語るのはオリジナルギターの購入と塗装オプションを発注したというAさん。2016年初旬に「レスポールスペシャル」というタイプのギターを探していたところ、有名アーティストが同店の同型ギターを愛用していると知りました。Hさんと直接の面識はありませんでしたが、購入前の電話相談やメールのやりとりなどに真摯に対応していたことや、「アーティストともつながっている店であり、ある程度の信用があったので――」と代理店であるBUDDY SOUND WORKSを通さずに直接注文を決めました。
代金はカラーリングなどのオプション込みで19万円。当時大学1年生だったAさんは2016年2月に親にお金を借りて入金を行いました。ところがその後期限を過ぎても一向に納品が行われなかったことから、注文から半年ほどたった7月ごろに問い合わせを行ったところHさんより「塗装をやり直しているので、まだ届けられない」との回答。現在のところこれがHさんとの最後の会話となっています。
Aさんは自分以外にも被害者がいることを把握しつつ、その多くが「警察に行っても取り扱ってくれない」状況だと歯がゆさを感じている様子。「ギターはともかくお金は返してほしいという気持ち」と悔しさをにじませました。
被害者は無視で新事業に着手?
続いてお話を伺ったのは、ワウ・ペダル(エレキギターとアンプの間に接続して使うデバイスで、ギターの音色に変化や効果を与えるもの)の修理を依頼したまま、音信不通となっているYさん。
Hさんとの付き合いは10年以上でしたが、最後に連絡が付いたのは2016年1月初旬で「修理依頼品が届いたか」という質問に対して、Hさんからサムズアップ(親指を立てるポーズ)のスタンプが届いたきり。その後、Yさんは電話、メール、Facebookのメッセージ機能、手紙で連絡を行いましたが、現在に至るまでHさんから連絡はありません。
Yさんの場合、修理にかかる見積もりの連絡などもないため、金銭面での被害はないとのことですが、商品が現在も“H”の手元にあるままです。
代理店を務めていたBUDDY SOUND WORKSについては、修理依頼の際に「BUDDYを通さなければならないのか?」と尋ねたところ、「Yくんなら直接でいい」とHさんからいわれたため、全く関係していないとのこと。Hさんの現在の活動については、千葉県内でライブハウスを新設するという情報があるようだといい、「(この情報を信じるとするならば)われわれのことは放置しておいてライブハウスとは何事だ! という気持ちです」と怒りをあらわにしています。
また自分以外にも10万円から30万円程度のオーダーを前金で依頼したのに、納品が行われない事象が少なくとも2件確認されているとのことで、「中には諦めたとか、まだ信じているという方もいますが、ここで白黒ハッキリさせないと」とYさん。「Hさんの作るエフェクターは1つ3万円から12万円もする高額なものです。汗水流して働いたお金で支払っているのに、それを踏みにじる行為は誰でも頭にくると思います」と、今回のトラブルが世間に公表されることを望むとしました。
なお、ねとらぼ編集部では複数の関係者に取材して連絡先を入手しましたが、記事掲載日までにHさんと連絡が付くことはありませんでした。夢を与えるはずの音楽をきっかけとする一連のトラブル。今回取材に協力して下さった2人はいずれも代理店を通さずに依頼を行っていることから、単純に作業が滞っているだけとの見方もできますが、1年以上も連絡が取れないという状況はやはり不自然と言わざるを得ません。一日も早く真摯な対応がとられることを多くの利用者が望んでいます。
(Kikka)
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母親の視点で「眠いまま朝5時に起きるの」「大好きなおかずあげるの」「いいおかあさんでいようって頑張るの」など、子育てに関する苦労を歌い上げる。