エアコンのパネルを開けると出てくるフィルター。久しぶりに開けたら、ものすごいホコリが……なんて経験がある方も多いのでは?
エアコンの汚れは運転効率の低下や、イヤな臭いの原因。また、健康被害につながってしまうこともあります。今回は、その解決に役立つエアコンクリーニングのあれこれについて、穂積さん(下北ハウスクリーニング)に話を伺いました。
くらしのマーケットマガジン
ハウスクリーニングやエアコンクリーニング、家事代行、不用品回収まで、暮らしにまつわるさまざまな「こまった」をくらしのマーケットマガジンが1つ1つ丁寧に解決します。
エアコンクリーニングのメリット1:電気代の節約になる
ホコリで目詰まりしたフィルターは、エアコンの運転効率を下げるため、余計な電力消費につながります。
そもそもエアコンは室内の空気を吸い込み、内部の「熱交換器」で温度を調整してから吐き出すことで、室温を変化させています。この吸い込み口にあるフィルターが目詰まりすると、空気を吸い込むのに必要以上の電力を使ってしまい、電気代が高くなります。
フィルターの掃除によりホコリやごみを取り除くことで、効率的な空気の循環が可能になり、電気代の節約につながります。環境省の調査データによれば、2週間に一度のフィルター掃除で削減できる消費電力は冷房時で4%、暖房時で6%にもなります。
メリット2:アレルギーや肺炎などの予防になる
エアコンをつけるとせきが出る、くしゃみが出る。そんな症状の原因は、エアコンから吐き出されたカビの胞子です。
冷房運転時は、室内の温かい空気がエアコン内部で急激に冷やされるため、結露が発生しやすくなります。この水分がフィルターなどにたまった汚れと結合すると、カビが発生してしまいます。
カビの繁殖条件は「温度」「湿度」「栄養分」。安定した温度、結露による水分、たまった汚れがそろうエアコン内部は、まさに絶好の繁殖スポットです。
カビ菌が繁殖すると、エアコンからカビの胞子が吐き出され、空気中に漂います。これを吸い込むと、アレルギーや肺炎が引き起こされる可能性が。エアコンの掃除はそういった呼吸器疾患の予防に効果的です。
特に、免疫の弱い乳幼児や高齢者、アレルギー体質の方がいる家庭は、定期的なクリーニングがおすすめです。夏になるとせきが出る夏型過敏性肺炎も、エアコン内部の汚れやカビを取り除くことで予防できる健康被害の1つです。
メリット3:エアコンからの臭いがなくなる
エアコンのカビ臭さも、先ほど解説したエアコン内部のカビ菌が原因。業者によるエアコンクリーニングでは、フィルター以外のパーツも分解して本体から外し、それぞれ汚れを落としていきます。
エアコンクリーニング専用の洗剤で汚れを浮かせながら、パーツの形や大きさに合わせた掃除道具で徹底的に汚れ落とすため、エアコン奥の黒カビやホコリも一掃。カビ臭さの元を根絶することで臭いもなくなります。
カビ以外にも、キッチンからの油分を含んだ水蒸気や食品の臭いを吸い込み、臭いがする場合もあります。エアコンクリーニングはそうした油汚れや蓄積汚れも根本から取り除くため、エアコンの消臭には効果てきめんなのです。
エアコンクリーニングって自分ではできないの?
取り外しが可能なフィルターと、エアコン本体の表面や手の届く範囲の汚れは、自宅でも掃除できます。しかし、分解掃除はおすすめできません。
エアコン内部にはセンサーやモーターなど、水気厳禁なパーツが取り付けられているうえに構造も複雑なため、独自に分解したり部品を取り外したりすると故障の原因になる恐れがあります。
エアコン用の洗浄スプレーって効果あるの?
エアコン用の洗浄スプレーには一時的に臭いを抑えたり、多少の汚れを落としたりする効果がありますが、やはり洗浄液を洗い流すことができないため、時間がたつと臭いが復活してしまい、十分にきれいになるとはいえません。
高圧洗浄機で本体奥の汚れを流すと、真っ黒の水がバケツにたまります。やはりスプレーでの簡単なお掃除ではなかなか汚れは取りきれないので、クリーニングがおすすめです。
どのぐらいの頻度でクリーニングしたらいいの?
一年に一度はした方がいいです。プロのエアコンクリーニングは、汚れやカビなど臭いの元を清掃、除去します。ファンやフィルターにたまった汚れもきれいになるので、清潔感がある気持ちいい空気が出るようになりますよ!
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.