苔をモチーフにした作品で知られる油絵画家の今津奈鶴子(@imatsuru)さんの作品が、ひょんなことから「立体的に見える」「写真のよう」と絶賛されています。
きっかけは日本橋三越本店で開かれた自身の個展をイラストを添えて振り返ったこと。個展の会期中、「作品を横から見ている方がとても多くて。なぜ皆さまそんなに額を見ているのだろうと不思議に思っていた」という今津さん。「確かに注文品だけど、めずらしい額でないような……」といぶかしんでいたところ、お客さんから「えっ(この作品は)油絵!? 立体じゃないの!?」という思わぬ反応が寄せられたのだそうです。
今津さんの作品の一つで話題になっている油絵、「わたしのお気に入り」を見てみると、絨毯のように広がるヒノキゴケに白くてかわいらしいコミヤマカタバミのお花、そしてそれにつられるようにやってきたテントウムシが写実的に描かれています。特筆すべきはその陰影で、絶妙な色使いによってキャンバスの上に実際にヒノキゴケが生(む)しているかのようなリアルさを感じます。
つまりお客さんが額縁の横から作品を見ていた理由は、作品がリアルすぎて立体的に見えていたため横から確認していた、ということ。この出来事を今津さんがTwitterで「作品を直接に感じていただけたような気がしてとてもうれしかったです」と報告したところ、「ツイッター上でも十分立体的に見えますね」と驚きの声が。また「写実的な絵があまりにもリアルだったり、立体感がすごいと横から確認したくなる」と、お客さんの心情が理解できるという意見もあがっています。
今津さんはTwitter上で油絵の制作過程の動画や他の作品も多数投稿。繊細なタッチによって、儚くも美しい苔が生み出されるさまや、晴れ晴れとした青空が広がる様子には多数の“いいね”が集まっています。
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