今日も今日とて、からかいからかわれる高木さんと西片君。しかし二人の関係はほんのちょっとずつ成長しはじめています。特にこの回は、やばいぞ。アニメ11話で繰り出された高木さんのからかいポイントを振り返ってみましょう。
おさらい
まず今までの高木さんのムーブをおさらいしてみます。
序盤は「女の子」であることを投げかけて、西片君が言い返せない、という直球のからかいが多め。間接キスを意識させたり、相合い傘でハラハラさせたり。
次第に、彼女自身も「西片君と一緒にいたい」意識が高まってきたのが中盤。一緒に下校するために自転車を押して帰るようになったり、夏休み中は毎日会うための口実を作ったり。
そして最近の高木さんには、西片君側から声をかけてほしい、スキンシップしてほしい、という気持ちがわきはじめています。
今のワチャワチャ遊べる関係を大切にしながらも、自分からばかりでなく、ほんのちょっとだけでいいから西片君に動いてほしい。無理強いはせず、彼女は待っています。
その1:登校中に二人で猫を見つけました「ネコ」
ネコが大好きな西片君、登校時にたまたま見つけたネコをなでようとしていたら、高木さんに発見されて恥ずかしくなってしまった。「男子だから」という思考が、幼い彼らしい。
高木さんがからかっていたのは、西片君が意地をはって、ネコ好きを否定しているところ。こればかりは高木さんの指摘通りで圧勝。ラスト西片君も認め、「なでても……いいかな……」と自分から言います。
からかった後に「くやしー!」で終わらせず、西片君が認めて自分の心を正直に言えるよう、道を作っているのがポイント。高木さんに対してはまだ素直になれなくても、好きなものくらいは、自分の口から言ってほしい。
なお、ここで「一緒に登校しようよ」と誘っているのは高木さんの方です。
その2:見つめ合って初めて分かるもの「似顔絵」
美術の時間、隣の席の人と向かい合って似顔絵を描くことになった西片君と高木さん。この授業受けたことある人なら分かると思うけど、まー気まずい。「見つめる」という行動がひたすら恥ずかしい。気になる子なら、見つめすぎてもなんか言われるんじゃないかって感じて、針のむしろ。
高木さん、今回は特に意図してからかわなくても、西片君が勝手に照れるので、割と簡単にいじれたようです。なんせ西片君、まっすぐ目を向けない。常に目線を横にやり、顔を真っ赤にしています。
「ほらほらちゃんと見て」「見えにくいなら、もうちょっと近付こうか?」と高木さんに言われた西片君は、高木さんとまっすぐに目を合わせることに。今まで長いこと一緒にいたにもかかわらず、真正面から見つめたのは多分初めてでしょう。
その時、西片君の心に、芽生えました。「高木さんて……よく見るとやっぱり……かわ……」
「からかう」という行為が二人をつないでいるがために、西片君は高木さんのことを「からかってくる相手」として認識しています。女の子であることすら時折忘れます。先ほどのネコが、警戒していたのとそっくりです。でもふとまっすぐ見つめると、彼女に対して自分が感じている本質が見えてくる。
人をしっかり見ることは、自分を見つめ直すことです。西片君、自分の気持ち、気付いたでしょ。
高木さんの描いた西片君の絵は、非常によく似ています。それだけしっかり見ているということです。
その3:もしかしてオレって高木さんのこと好きなのか? 「占い」
西片君が自分の気持ちを理解する決定打になる回です。「自転車」二人乗り練習の時に感じていた嫉妬の感情が、やっとここで「好き」につながってくる。
恋占いをした高木さん。「今の恋はうまくいく」という結果だったらしい。高木さんは言います。「西片って好きな人いる?」
女の子にこんな質問されて、意識しない男子いない。鈍めの西片君ですらこれには「高木さん……オレのことを!?」とドギマギ。そしてついに、理解する。「もしかしてオレって……高木さんのこと好きなのか?」
先ほど同様、西片君は鈍いだけではなく、高木さんにからかわれ続けてきたことで免疫ができてしまっています。「好き」という感情が冷静に飲み込めない。
今回はそこも踏まえてなんでしょう、高木さんは西片君側の心理を探ります。
西片君の恋占いも、高木さんはしていたらしい。西片君、これを聞いて「なんかオレガッカリしてる……?」と困惑します。
いやいや西片君、考えてみてよ。なぜ高木さんが、西片君だけの恋占いを勝手にやっているか。女の子が男の子の恋占いしてるとか、もうそれってイコールでしょ。……好きな相手の恋占い、やったことない?
西片君は高木さんの言葉で「恋愛」を強く意識しはじめました。多分今後高木さんの言動にモヤモヤしたら、それが嫉妬とか好意ゆえだ、と紐づけできるようになっているはず。
その4:高木さん、赤面する「クリティカル」
原作でも屈指の人気回。高木さんが赤面する非常にレアな話です。
占いの結果が良かったので、今日こそは高木さんに勝てると信じていた西片君。どうやってからかうか考えているうちに、友達の誘いを断ってまで、高木さんと下校することを選択。さすがに高木さんも「よかったの?」と質問。
ここで、西片君のクリティカルヒットが発動。
「高木さんと帰りたかったし」
この高木さんの顔。彼女が、驚くべきことに、切り返せていない。
今までは高木さん側が「言ってみて」と煽って、西片君を恥ずかしがらせることはありました。でも何もしていないのに、自分から発言をしてきたのは、初めて。
確かに「高木さんをからかうため」という前提は付きますが、「一緒に帰りたかった」のは紛れもない事実です。
高木さんは基本ポーカーフェイス。この作品自体が西片君目線で見た高木さんを描写しているので、彼女の本心は、行動から推測するしかありません。
だからこそ、このクリティカル回は強力。高木さんは自分に向けての直球な言動に弱い。現時点で出ている単行本では、ここまで突き刺さったのは、2、3回程度です。
西片君はよく「今日も負けた」みたいな感覚で高木さんに接しています。でも実は逆。勝ち負けじゃないけれども、「どうすれば一緒にいられるか」考え続けている時点で、西片君を軸に動いているのは、好意を先に持った高木さんの方。
彼のクリティカルは、大体が誠実だから。高木さんが彼を好きになるの、よく分かります。なお、なぜ高木さんが西片君のことを気にしだしたかは、原作にちゃんと描かれています。
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