身近な生き物だけど、いまひとつ注目されないナメクジ。しかし近年、大型ナメクジが発見されるなど、ナメクジ界にも大きな変化の兆しがあります。そんななか京都大学の宇高寛子助教が、一般の方からナメクジの目撃情報を集め、各地のナメクジの分布を研究するための資金をクラウドファンディングで募集しています。
宇高助教は日本各地のナメクジの分布を調べるため、Webサイト「ナメクジ捜査網」で一般からナメクジの目撃情報を募っています。集まった資金は、協力者が情報を簡単に登録でき、幅広い種類のナメクジの情報を集められるように同サイトを刷新するために使います。
日本に生息するナメクジは、時代とともに種類が変化しています。私たちが普段見かけるナメクジは、体長5センチほどで、背中に2〜3本の茶色い線がある「チャコウラナメクジ」。第二次世界大戦後に日本にやってきて、全国に広がっていったそうです。
それ以前多かったのは「キイロナメクジ」。今では数が少なくなり、ほとんど見かけません。そして「キイロナメクジ」も海外からきた「移入種」なのです。どうやって日本にいるナメクジの種類が移り変わったのか。まだ研究でも分かっていません。
2000年初頭には茨城県で新たにナメクジが発見されました。「マダラコウラナメクジ」という、成長すると15センチになる大型のナメクジです。そして「マダラコウラナメクジ」と他のナメクジが好む環境が同じなので、日本に生息するナメクジの種類がさらに大きく変わる可能性があるとのこと。「マダラコウラナメクジ」出現により、日本のナメクジの分布はどう変化するか、宇高助教はそれを明らかにしようとしています。
クラウドファンディングの期限は5月29日19時まで。目標金額は100万円。支援のリターンとしてWebサイトの事前利用権が得られる他、1000円でナメクジ写真のPC壁紙、5000円で「マダラコウラナメクジ」が描かれたオリジナルTシャツ、3万円で50センチの特大ナメクジのぬいぐるみを手に入れることができます。
(谷町邦子)
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