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「キャラクターをどうやって三次元に連れてくるか」 BANDAI SPIRITSが挑む、次元を超えた“変態技術”(後編)(3/5 ページ)

「僕らはキャラクターを三次元に連れてくるために成形を使いたい。そこの差なんです」

未知の巨大パーツ&高圧成形による、今までにないトラブル

――あと、脚のゲート配置がすごくよくできてますよね。

西村:ゲートの断面から下のオレンジが見えてしまうというのは、このやり方の弱点なんですよね。プラスチックを型に流さないといけない以上、流すところは複数存在しないとうまくバランスよく流れないという物理的な都合があります。

 ゲートというのは絶対に必要です。だから今回、フミナ先輩をプラモで作りたいねっていう話になった瞬間からその問題は頭に浮かんでいました。それは必ず手足の断面か、ポーズ的に組み合わさって見えない部分にしようと。だから、原型師さんに最初から「左右の脚で触れ合う部分を作ってください」とオーダーしています。



部品のついている枠であるランナーと部品をつないでいる、一段細くなった部分がゲート。脚の部分のゲートは肌色の層を貫通しているので、断面が外に見えてしまう

組み立てると、ちょうど脚が組み合わさる位置にゲートがくる。これも無数の調整作業の結果だ

――原型から計算してないと、こうならないですよね。お腹のゲートはサイズ的に上下だけでなんとかなりそうですけど。

西村:樹脂は型に流す段階では液体なので、基本的には向かい合う位置にゲートを設けるんですよ。

山上:この脚はかなり長い部類に入る部品なので、それをこれだけのゲートで流しきるのはちょっと大変でした。樹脂にかける圧に関しても、何度も試しましたし。

西村:最初に原型に関してかけたオーダーも想像でしかなかったので、それをもとに型を起こした時に「うまく流れた!」「やばい! 流れない!」というのは何回もやってます。ゲートの位置の調整は数え切れないほどやりました……。

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