長野県のうどん店が「国際信州学院大学」の教職員に予約の無断キャンセルをされたとして激怒。「二度と来ないでください」とするツイートが拡散中です。しかし実は「国際信州学院大学」はおろか、このうどん店も実在しない“壮大な釣り”だったことが判明し、大きな話題になっています。
きっかけは、自称“安曇野市・穂高のうどん屋「蛞蝓亭」(なめくじてい)”のTwitterアカウントが5月13日に投稿した「無断キャンセルに合いました」というツイート。
「国際信州学院大学」の教職員から50人の貸切予約が入り、料理を準備して待っていたものの、時間が過ぎてからキャンセルを伝えられたとのこと。またキャンセル料を請求したところ、「国際信州学院大学」の教職員から「そんな説明は受けていない」と逆ギレされたことも明かし、「二度と来ないでください」とハッシュタグ「#拡散希望」を付けてツイートしたところ、Twitterでは5月14日までに3万4000件以上拡散された他、「国際信州学院大学」がトレンド入りしました。
ツイートには「人に教える立場の人間が何をやっているんだ 会議室の予約じゃねーんだぞと言いたい」「教職員の無断キャンセル。今の教職員はどこかネジが外れてるとしか思えない」と大学側に怒りを覚える人の意見や、「大学から名誉毀損で訴えられるかもしれないから気をつけてね」とうどん店の対応を非難する声もあがっています。
その後、「国際信州学院大学」の学生や大学のマスコットキャラクター「フラッパー君」などが相次いでうどん店に謝罪のリプライを送るなどし、事態は収拾に向かっているかに見えましたが、一部のユーザーからはこのうどん店も「国際信州学院大学」も実際には存在しておらず、“釣り”だとの指摘が相次いでいます。
編集部が調べたところ、「国際信州学院大学」が生まれたのは2018年1月に「受験シーズンだし安価で架空の大学を作って受験生釣ろうぜ」という5ちゃんねるのスレッドが立てられたことがきっかけ。公式サイトや公式Twitterはもちろん、前述のマスコットキャラクター「フラッパー君」、うどん店「蛞蝓亭」を含む周辺店舗などの設定まで詳細に作りこみ、あたかも“国際信州学院大学が実在するもの”と思い込ませる巧妙な仕掛けがたくさん施されていました。
つまり真相は架空のうどん店で、架空の大学職員が実際には起こっていないキャンセル騒動を起こしていた、壮大な釣りだったというわけです。
今回は昨今問題視されている“無断キャンセル”を“大学の職員”らが起こしたというパワーワードが重なり、大きく拡散してしまったものとみられますが、「鮫島事件」同様、“ユニークなネタ”ととらえる人もいる一方、悪質との声も上がっています。また「国際信州学院大学」騒動を、ネットリテラシーについてあらためて考えさせられるようなケースだと感じている人も多いようです。
(Kikka)
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