銀座の文房具店・伊東屋は5月14日、7年間運用を続けてきた公式Facebookのアカウントを16日をもって終了すると発表しました。Facebookから不正に流出した最大8700万人の個人情報が米選挙戦に不正利用されたスキャンダルを受けてのものと見られます。
伊東屋は公式Facebookで「残念ながら、Facebookの集めた個人データの活用方法に伊東屋として賛同できないために、終了を決断いたしました」と、アカウント終了の理由を説明。これまでFacebook上で発信してきた内容は今後公式サイトやTwitterで知らせていくとのこと。
同社のTwitterアカウントのフォロワー数は6600人であるのに対し、Facebookのフォロワーは5万人弱。数倍ものフォロワー数を誇るFacebookを切り捨てるのは企業として大きな決断だったはずです。
ねとらぼでは決断の経緯や、Facebookに賛同しかねる具体的な部分について伊東屋に取材を申し込みましたが、「今現在、弊社よりお答えできることは全て昨日アップいたしましたFacebook上のコメントのみとなります」とのことでした。
Facebookの個人情報流出スキャンダルは3月中旬に明らかになったもの。英ケンブリッジ大学の教授が2013年に性格診断アプリで入手した個人情報を、データ分析会社ケンブリッジ・アナリティカに提供。データは2016年の大統領選挙でトランプ陣営のために流用されました。
Facebookは当初、データを横流しした大学や不正使用した企業側に責任があるという態度を取り、個人情報を管理する立場の認識が希薄だとして大きな批判を浴びました。その後、FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ氏が米公聴会に出席し「大きな誤りだった」と自社の非を認め、全面的に謝罪。EUで5月25日に施行する従来より厳しいプライバシー基準「一般データ保護規則(GDPR)」をEU以外でも(一部内容を除き)順守すると発表するなど、対応を進めています。
このようにFacebookはユーザーの個人情報の取り扱い方法について改善の意思を見せてはいますが、運用の透明性が不十分だとの声も根強いのが現状。伊東屋の対応に対し、Facebookでは終了を惜しみつつも理解を示す声が多く寄せられています。
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