19世紀〜21世紀の「メイド服の変遷(へんせん)」を独自研究からまとめたイラストがTwitterで「見事」「興味深い」と注目を集めています。
投稿した戌亥たつみ(@RayTatsumi)さんは、自身の同人サークルでメイド服を研究した同人誌を発行しており、イラストは6月に発行予定の『英国メイドからJapaneseMaidへ〜メイド服百年史』更新版の裏表紙用に描かれたもの。
「英国メイドからJapanese Maidへ」というタイトル通り、イギリスで生まれたメイド服が、どういった流れで日本の漫画・ゲームなどに出てくる“メイド服”や、ミニスカートが多いメイドカフェのいわゆる“アキバ系メイド服”になったのかを、1枚のイラストにまとめています。そこには、一度イギリスからメイド服が日本に入ってくるも普及せずに衰退した歴史や、その後アメリカで実用重視で短くなったウエイトレスの制服が入ってきて、ファミレス制服からPCゲームを経て、メイドカフェへと続く複雑な流れを垣間見ることができます。
またアメリカ発メイド服と、別の方向に発達した極端にスカートが短い「フレンチメイド」と呼ばれるボンデージファッションの一種から、アダルト系の文化への太い流れも。これにファミレスものPCゲームの流れも加わり、1999年ごろのメイドコスプレブームや、一般向けコンテンツとして“メイドのファッション化”までの流れが記されています。
他にも1930年からの「鉄道食堂車ウエイトレス」の流れもあったり、舶来文化の影響で関連する「割烹着」などの和洋折衷の流れも描かれていたりと、見どころはたくさん。細かく描かれているメイド服も実際の(または作品に登場した)もので、人によっては懐かしさも覚えるかもしれません。それにしてもこんなにいろいろな流れが背景にあったなんて驚きです……!
Twitterでは「わかりやすい」「とても貴重な資料」とメイド服の歴史に興味のある人から称賛の声が寄せられたほか、「こんなに奥深いとは知らなかった」「勉強になります」とその背景に驚いた人の声も上がっています。なお今回のイラストは「Ver3.0」で、昨年に投稿された「Ver2.1(pixiv)」も見てみると、また違った角度からの情報を得られます。
同人誌『英国メイドからJapanese Maidへ 〜メイド服百年史』の本文では、メイド服が変わっていくキッカケとなったイギリスやアメリカの歴史的背景から、サブカルチャーとの関わり合いとして日本の作品も一部例に挙げてイラストとともに解説。メイドカフェに関しても原型として「Piaキャロットレストラン」から紹介したりと、いまの“メイドさん”に興味がある人にも楽しめる内容となっています。
ちなみに同誌では「艦隊これくしょん-艦これ-」のキャラクターたちがメイド服を着たイラストが描かれているので、イラスト集としても楽しめそうです。頒布や委託情報については戌亥さんの同人サークルホームページをチェックしましょう。
※イラストおよび同人誌の内容は作者の独自研究・体験に基づく仮説となります
画像提供:戌亥たつみ(@RayTatsumi)さん
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