輸送は人力、飛ばすまでが一苦労! 琵琶湖のほとりで「鳥人間コンテスト」の舞台裏を見てきた(2/5 ページ)
台風接近により開催が危ぶまれた「鳥人間コンテスト2018」現地レポート。
7時すぎにプレスルームに入ったところで、早くもこの日1機目の飛行が。競技開始は7時半だったはずだけど、聞いていた予定よりも早い。台風が近いので、とにかく全ての予定が前倒しになっているのだ。読売テレビの方からは「予定では人力プロペラ機部門は明日開催するはずだったけど、今日飛ばせるだけ飛ばしちゃうかもしれない……でもまだよく分かんない」という状況の説明をされる。
そうこうしているうちに会場に人が増えてきた。地元民や参加大学のOBがぞろぞろと集まってくるのである。思っていたよりフェスっぽい。完全に朝だけど、ビールが飲みたくなってくる。
輸送は人力、整備は現地、飛ぶまでが一苦労!
予定を前倒ししつつ、ひとまず始まった滑空機部門。1機目の飛行機が飛んで以降、駐機スペースの砂浜からは次々に飛行機が運ばれてくる。当然といえば当然だが、機体をプラットフォームまで運ぶ方法は人力。およそ30kg程度の機体を、チームの全員で掛け声を掛け合いながら運ぶ。たわんだり破損したりしやすい主翼部分は、木でできた支えなどを使って保持するのだ。
鳥人間コンテストはテレビ番組の収録も兼ねているので、そこまでテンポよく機体が飛ぶわけではない。プラットフォームに機体が上がったところで発進の準備をしたり、チームの紹介VTRや選手へのインタビューなどが挟まったりするため、プラットフォームに上がってから飛ぶまでに15〜20分ほどかかる。その間は機体を台に置いて休みつつ、滑空機の行列が浜辺を進んでいく。
プラットフォームの幅は狭いので、発射台にたどり着く前に機体を横向きに回転させる。そこから水面の上の細いスペースを移動し、最後に坂を上がってようやく発射台だ。おみこしというか、なんとなく神事っぽいスローペースである。チームの人たちはその間ずっと飛行機を置いたり担いだりを繰り返す。鳥人間コンテストは飛ぶまでがかなり大変なのだ。
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