引越しは、単に「新居を見つけて、そこに荷物を送れば終わり」というものではありません。実際に引越し作業を行う約1カ月前から動き出して、業者探しや不用品の処分、各種契約の解約、住所変更……など、やらなければならないことがいくつもあります。
そこで今回は、やり忘れやトラブルを回避し、スムーズに引越しできるように「引越しでやることリスト」をまとめました。筆者の実体験も踏まえた内容になっているので、ぜひ参考にしてください。
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1カ月前までにやること
- 引越し業者を探す
- 賃貸契約解除の申し入れをする
- インターネット、固定電話の引越し手続き
- 子どもの転校手続き
引越し業者を探す
引越しが決まったら、最初にやるのが業者探し。定価がないといわれる引越し料金は、同じサービスでも業者やタイミングによって、数万円の差が出ることも少なくありません。
できるだけ安くトラブルなく引越しをするためには、複数の業者の評判や口コミをチェックして比較検討する必要があります。2、3月や長期休みなどの繁忙期は特に予約が埋まりやすいため、希望日に引越せるよう早めに探し始めるようにしましょう。
引越し業者を選ぶ際のポイントは、以下の3つ。
<顧客対応>
ネットで引越し業者を調べると、業者のWebサイトがいくつもヒットしますが、業者選びのポイントは「電話が通じるかどうか」「説明や見積もりなどの対応が丁寧かどうか」。「今決めてくれないと割引できない」などと予約を迫ってきたり、質問に明確に答えなかったりする場合は要注意です。
<料金とサービス内容>
「格安」というアピールに釣られず、必ずサービス内容や追加料金の詳細に目を通しておきましょう。「◯◯までは追加料金なし」のように、きちんと条件を記載している業者の方が安心して依頼できるはず。
ダンボールの無料レンタルや洗濯機の設置、不用品回収など、便利なオプションサービスも多いので、何をどれだけしてくれるのか、料金と照らし合わせて確認してください。
<作業技術>
作業の質に関しては、実際に利用した人の口コミや評判をまとめているサイトを参考にすると良いでしょう。繁忙期は、特にアルバイトスタッフが増える時期ですが、現場を監督できるベテランスタッフがいるかどうか、荷物破損、事故があった際の対応など、悪い評判がないかをチェックしましょう。
賃貸契約解除の申し入れをする
賃貸契約の解除には、あらかじめ決められた申し入れ期日があります。電話か書面か、申し入れの方法と合わせて契約書の内容を確認しておきましょう。
退去時には、部屋の現状確認や鍵の返却、書類への署名などがあるため、管理会社の立会いが必要です。荷物運びだしの時間と被らないよう、作業終了時刻の30分ほど後に立ち会いできるよう調整しておくと安心です。
なお、解約日前であれば、立会いは引越し当日でなくても構いません。引越しの時間帯が遅い、もしくはフリー便で時間が読めない場合は、別日に行うのが良いでしょう。
また、契約解除の際には、以下の3点を確認しておきましょう。
<退去時の家賃支払い>
引越す月の家賃計算が「日割り」「半月割り」「月割り」のいずれかによって、支払う金額が変わります。
日割りであれば、実際に住んでいた期間のみの支払いとなりますが、月割りの場合は月初に退去しても、その月の家賃を丸々支払わなければなりません。退去日を調整できるのであれば、家賃の負担が一番少なくなる日にしましょう。
<クリーニングや鍵交換などの費用>
契約書には、借主が退去時に負担しなければならない費用が記載されています。一般的なものとして、クリーニング代や原状回復費、鍵交換代などが挙げられます。敷金からどのような費用が引かれるのか確認しておきましょう。
<短期解約の違約金発生>
賃貸契約期間満了前に退去する場合、家賃1カ月分などの違約金が発生する場合があります。こちらもあらかじめ契約書で確認しておきましょう。
インターネット、固定電話の引越し手続きをする
新居でのインターネット利用には、開通工事が必要です。引越しの繁忙期は予約が埋まりやすいため、1カ月前には工事の予約を入れておきましょう。
固定電話についても、訪問工事を行う場合は工事予約が必要です。インターネットと合わせて、早めに手続きを行いましょう。利用中の通信会社のWebサイトから、移転手続きができる場合もあります。
また、以下の2点も確認しておきましょう。
<新居のインターネット環境>
引越し先のエリアや建物のタイプにより、利用できる回線や必要な開通工事が異なります。例えば、東京から大阪など遠方に引っ越す場合は、同じNTTであってもNTT東日本の回線を解約し、NTT西日本と新規契約を結ぶ必要があります。
また、「引越し先がマンションで、特定の回線しか使えない」「建物タイプが戸建てか3戸以上の集合住宅かによって利用できるプランが異なる」という場合もあります。新居のインターネット環境については、引越し前に不動産屋に確認しておきましょう。
<解約の場合に違約金が発生するか>
現在利用中の回線・プロバイダーを解約する際、契約期間満了前だと違約金が発生する場合があります。契約書で、契約期間や違約金の金額などを確認してください。特に乗り換える必要がないのであれば、転用手続き(無料)がおすすめです。
【注意!】引越し後の案内電話
引越しが決まると、「新居のインターネットサポート会社」を名乗る電話がかかってきて、利用中のネット回線とプロバイダー、新居の住所を尋ねられ、「料金が高くなるため、別のプロバイダーに乗り換えた方が良い」などと案内される場合があります。
インターネットに限らず、引越しを決めた後にサポート会社を名乗る電話がかかってきても、その場で結論を出さない方が良いでしょう。「検討します」と一度電話を切るなどして、必ず自分で調べるようにしてください。また、「相手はどんな会社なのか」「案内されたサービスは本当に安いのか」なども要チェックです。
子どもの転校手続き
電話、もしくは直接出向いて転校の申し出をしましょう。学校により手続きの方法が異なる場合があるので、あいさつも兼ねて直接出向く方がベターでしょう。
<小学校・中学校の転校に必要な書類と手続き>
在学中の学校から受け取る書類は次の2点。新しい学校に提出する書類なので、無くさないようにしてください。
- 在学証明書
- 教科書給与証明書
引越しが終わったら、引越し先の教育委員会(市役所内にある場合が多い)から新しい学校の指定を受け、「転入学通知書」を受け取ります。上の2つの書類と合わせて、新しい学校に提出してください。
高校の転校に必要な書類と手続き
義務教育でない高校の場合は、転校先の高校に欠員があり、かつ編入試験に合格できなければ転校できません。まずは希望する高校もしくは引越し先の教育委員会に、受け入れ可能か確認しましょう。
欠員があり転校が可能な場合は、在学中の学校から次の3点の書類を受け取ります。
- 在籍証明書
- 成績証明書
- 校長からの転学照会書
新しい学校の編入試験に合格したら、これら3つの書類を提出して手続きを行います。
2週間前までにやること
- 不用品の処分
- 郵便局に転居届を出す
- 携帯電話の登録住所変更
不用品の処分
引越し料金は家具や荷物の量で変わるため、新居で使用するかどうか分からないものは、引越しを機に処分を検討しましょう。処分方法は、主に以下の6つです。
- 知り合いにゆずる
- ネットオークションで売る
- 出張買い取りサービスを利用する
- リサイクルショップに持ち込む
- 自治体の粗大ごみ回収を利用する
- 不用品回収業者を利用する
郵便局に転居届を出す
旧住所あてに届く郵便物を1年間、新しい住所に転送できるようにする大事な手続きなので、忘れないようにしましょう。簡単なのは、インターネットからの申し込み。「郵便 転居」などと検索すると出てくる日本郵便「e転居」サービスで申し込みできます。家族の名前も、最大6人まで登録可能です。
近くの郵便局で申し込む場合は、運転免許証などの身分証明書と、旧住所が確認できる免許証、住民票などの書類を持参してください。
携帯電話の登録住所変更
これは引越し後でも問題ありませんが、引越し当日や引越し後はさまざまな手続きで忙しいので、先に変更しておくと良いでしょう。
どの携帯会社でも店舗、電話、Webサイトのいずれかで変更可能です。店舗や電話の場合は、営業・受付時間が決まっており、24時間対応のインターネットでの変更が便利です。
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