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バンクシーの騒動で値上がりするかも?→自分の「風船と少女」を切り刻んだオーナー、「価値はタダ同然」と切り捨てられる

ブローカーは騒動の当時、マネしないよう呼びかけていたのですが……。

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 バンクシー作品「風船と少女」がオークションで落札された直後に、バンクシー自ら額縁に仕掛けたシュレッダーにかけられた件は、世間を大いに騒がせました(関連記事)。この騒動で作品の価値はより高まるとの推測から、所有するバンクシー作品をわざと切り刻む者まで現れたことに、美術品ブローカーのMyArtBrokerが警告を発しています。


風船と少女 同社に送られてきた、「風船と少女」のプリント。オーナーの手により切り刻まれている(MyArtBrokerより)

 騒動の当時、同社は公式Twitterで、バンクシー作品のオーナーから「自分のもシュレッダーにかけたら価値は上がるか?」といった問い合わせがあったと公表。そして、「あれは美術史でもたぐいまれなる出来事なので、どうかそんなことは絶対にしないでください」と注意を呼びかけていました。


 にもかかわらず、その後ある人物が、切り刻んだ「風船と少女」の写真を同社に送ってきたといいます。それは世界に600点存在するという同作のプリントで、状態がよければ本来4万ポンド(約593万円)以上の値が付く品。これを傷つけた末に、同社を介して8万ポンドで売りたいというのです。そして同社は「価値は1ポンド」、つまりタダ同然だとして要望を退けました。


風船と少女 芸術家自身がやったからこそ意味があった破壊行為を、受け手がやっても……(MyArtBrokerより)

 同社は拒否した理由の1つとして、「愚かで投機的な破壊行為が信じられない」とコメント。共同設立者のIan Syer氏は「バンクシー自身が自作にした行為は価値観に劇的な影響を与えた。かのオーナーがしたのは、不必要にプリントの価値を台無しにすることだった」と述べ、限りある「風船と少女」が失われたと嘆いています。

こちらはバンクシーが自ら裁断した作品(動画より)

(沓澤真二)


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