「3日間4万円くらい」で帆走テクニックは習得できる:キャプテンながはまの100万円で「船長」になる(4)(2/2 ページ)
帆走を覚えるならば「ヨットスクール」が近道。スパルタじゃありません。
ディンギーで覚えた操帆技術はセーリングクルーザーでも役に立つ
ヨットスクールの多くは、「ディンギー」と呼ぶキャビンを持たないレース用の小さなヨットのための操帆技術を教えてくれます。また、数は少ないのですが、この連載で勧めているキャビンがあってエンジンを載せた「セーリングクルーザー」向けのヨットスクールもあります。この中には、米国の公式ライセンスにもなる「ASAライセンス」や、カナダで設立されたライセンス団体「ISPA」のライセンスを取得できるコースもあります。
ディンギー向けヨットスクールの費用は、帆走技術を一通り取得できる3日間のベーシックコースで4万円前後からです。セーリングクルーザー向けヨットスクールは、セーリングクルーザーの運用と近距離航海を「船長」として務められる技能を習得できる、ISPAの「コンビテントクルー&デイスキッパー」のコースがあります。費用は6日間コースで15万円からとなります。
ディンギー向けスクールは、操帆における「風の感覚」や「風の力で海面を滑るように走る感覚」を濃厚に体感し、会得するのに役立ちます。筆者は最初にこの感覚を体の髄まで染み込ませておいたことがとても役立っています。「本能的に体が反応できる」のです。
なお、セーリングクルーザーの運用術やクルージングにおける航海術といった座学的なことは、解説書やWebサイトの先輩ヨット乗りなどから得られます。というわけで筆者の経験に基づく意見としては、まずディンギー向けヨットスクールで帆走する感覚を体で覚えましょう。セーリングクルーザー向けヨットスクールは、ベテランとなってライセンス取得が必要となったときに入学するのがお勧めです。
帆走技術は「ディンギー向けヨットスクール」で覚えましょう
以上、今回はヨットを操船するための「帆走技術を覚える方法」を紹介しました。要点をまとめると以下のようになります。
- ディンギー向けヨットスクールで「帆走する感覚」を体に覚えさせる
- ディンギー向けヨットスクールの費用は3日間で4万円前後から
- セーリングクルーザー特有の運用術や航海術は、テキストやインターネットで習得可能
- (スクールへは行かず)知り合いに弟子入りして教えてもらうならば、最初から「将来自分のヨットを持つ」ことをはっきりと伝えておく
さあ、これでいよいよヨットで海に出る準備が整いました。「とはいえ、この先長くヨットを所有することってできるのかなあ」と不安な人のために、次回は「ヨットの維持費のホンネ」を解説します。
(続く)
長浜和也
IT記者は仮の姿で本業は船長(自称)。小型帆船を三浦半島の先っちょに係留する“一人旅”セイラー。伊豆諸島を旅するため、学連経験やクルー修行をすっとばして、いきなり1級船舶免許を取得してヨットに乗りはじめて早20年。かつて船で使うデジタルガジェットを紹介する不定期連載も。
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