――弁護士に裁判を依頼すると、費用もそれなりにかさみますよね?
岩崎:着手金で最低10万円はかかりますよね。合わせて、成功報酬も考慮する必要があります。
――以前朝日新聞のインタビューで、司法書士※に依頼することでこの金額を抑えることができたともおっしゃっていました。
※140万円以下の示談交渉や簡易裁判所での代理人になれる司法書士は正式には「認定司法書士」と言い、認定を受けていない司法書士はこれらの代理行為ができないので注意が必要。
岩崎:司法書士というと登記や訴状などの書類を作ってくれるイメージが強いかもしれませんが、実は140万円までの事案なら代理人として、弁護士とほぼ変わらない動きをしてくれるんです。私の場合では、一般的な弁護士の半額程度で依頼できました。
サイト運営者「3万円しか払えません」
――司法書士に依頼した際はどういった事案だったんですか?
岩崎:このとき、ある匿名のまとめサイトに画像が20点近く無断で使われていました。プロバイダーに相手の情報を開示してもらった後、弁護士の先生に「20万円払ってください」という内容証明を送ってもらったんです。そうしたら相手が「お金がなくて3万円ぐらいしか払えません」と言ってきたんですね。こちらは既に弁護士に3万5000円ほど払って内容証明を送っているので、さすがにガクっときました(笑)。
あと、実は弁護士を通して連絡する前に、「直接お金を渡しにいきます」と提案されて「いえ振り込みでお願いします」といったやりとりもありました。
――えたいの知れないサイト運営者と個人的に会うのは怖いですね。
岩崎:ほんとそうなんですよ。現金を直接手渡しはちょっと……と、振り込みを要求していたら連絡が途絶えてしまって、最終的に弁護士に内容証明を送ってもらったんです。その後、裁判を弁護士に依頼すると費用倒れしてしまうことが分かり、他に方法がないか調べていて司法書士のことを知りました。
――著作権に強い司法書士を見つけるのは難しくありませんでしたか?
岩崎:難しいですよ。実を言うと私の場合も、特段著作権を強みとする先生ではありませんでした。インターネットで裁判業務に力を入れている司法書士さんを探して、比較的家から近い司法書士の先生に相談してみたら「やってみましょうか」と。
このときは最終的に10万円ほどで和解して、弁護士に依頼した内容証明代や司法書士に依頼した際の報酬や訴訟費用を差し引くと、手元には1万円ほどしか残りませんでしたが、費用的には赤字にならずに済みました。
本当は当初提示した約20万円を分割払いで請求しても良かったんですけど、その支払いが途中で止まったりすると強制執行とか差し押さえとか、また面倒な手続きが増えるので、妥当な着地点だったのかなと思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.