早稲田生は悩んでいるのか?
――このままパパ活の話を4時間くらい聞いちゃいそうなので、話を元に戻します……! 早稲田生が持っている悩みってどういうものですか?
ハヤミ: 友達同士でよく話すのは、「結婚したい。けど結婚できるビジョンが見えない」という話ですね。恋愛の優先順位は高くないけど、なんとなく結婚はしたいと考えている人が多くて……でも、恋愛経験がなかったり、今彼氏がいなかったりで、「このあとどうすればいいんだろう?」と悩んでいる。
ケイタ: 男子のほうは、もうちょっとドス黒い話を聞きますね……ゲスな話だったり、二股の話だったり……。
ヒガシ: 知り合いでめちゃくちゃ美男美女のカップルがいるんですが、「毎日ヤッてたらお互い身体に飽きちゃって、彼女の許可を得て風俗に通うことになった」という話を聞いて、いろいろだな……と……。
――結婚の話は男性同士の恋愛トークで出てくることはないですか?
ヒガシ: うーん、「今の彼女と結婚したい」みたいな話を考えていることが、ちょっとキモくないですか? 実際は頭の中にちょっと「この子と結婚するのかな」という気持ちはあるけど、友達とはそんなにそういう話をしないですね。あとこういう言い方はステレオタイプっぽくて好きじゃないけど、女性と比べるとまだ男の方が総合職採用でキャリアパスが見えづらくて、仕事と結婚との両立が想像できないというか。全国転勤や海外転勤のチャンスがあったとき、自分はどういう選択をするのか分からない……。
タテル: 僕は最近、自分が「フツーのライン」に乗れそうにないんじゃないかってことに悩んでいます。
――フツーのライン?
タテル: 社会全体の風潮として、20代でしっかり恋愛して、30歳くらいで結婚して、子どもができて、しっかり育てる……というのが良い、というレールがあると思うんです。「結婚したい」というよりは、「結婚するのがフツー」というか。周りの人は自然にそれに乗れていけそうだけど、自分は乗れる気がしない。それがちょっとイヤ。
ヒガシ: タテルは確かにうまく乗れなさそう。
ケイタ: 社会のレールとまでは言わないけど、恋愛をしていない人や、40歳を過ぎても結婚していない人は、「社会的に成功していない」「その人に欠陥がある」というレッテルを貼られる印象はありますね。そういうのを自分は貼られたくはないと思うけど、だからといって恋愛に対してモチベを上げて頑張れるかと言ったら別に……。
タテル: こないだ、就職する会社の内定式に出席したんですよ。見てみたらほとんどが男で、聞いたら男女比率は6対1なんだそうです。会社で付き合う相手を見つけるのは難しいだろうから、合コンするの? でも人見知りだしなー……とかいろいろ考えていたら、「詰んだな」って気持ちになりました。
ヒガシ: 大学に入ったばかりのとき、教授が「階級や社会階層の観念から考えると、大学というのは同じレベルの男女が集まる天国だ」と言っていて。俺もタテルもその影響を色濃く受けていますね。
タテル: そうなんですよ。教授の言っていたように、同じ目線の人を見つけるには、大学生活が最後なんじゃないかっていう気持ちがある。でも彼女がいなくても毎日楽しいし、今の楽しさは彼女がいないからこそなんじゃないかとも思うんです。一時期彼女がいたこともあったけど、「恋愛するとこんなにお金がなくなるんだ!」とびっくりしました。僕は友達と旅行に行くのが好きなんですけど、「彼女に使ったお金であんなことやこんなことができたな」となんとなく天びんにかけてしまいましたね。
ヒガシ: 彼女と行けばいいじゃん、旅行。
タテル: いや〜……友達と行きたいよね。
――お金問題についてもうちょっと聞いていきたいです。デート費用はどういうふうに分配していますか?
アカリ: 学生同士だと、完全に割り勘派が多いですね。「男だからおごる」とかって、お互いがお互いを対等に見てない証拠じゃないですか? 彼氏も「彼女を下に見ているようでいやだ」と言っていて、私も同感でした。ただ、学生と社会人になってからは、財力の差が明らかに違うし、行くお店の価格帯も上がってきているので、最近は多めに出してもらっています。正直なことを言うと、多めに払ってもらうのはちょっとうれしい……。
ハヤミ: 「全おごり」にはすごい違和感がありますね。全部お金を出してもらうのには抵抗があるし、「彼氏に全部払ってもらっている」という話を聞くと彼女側にびっくりしちゃう。
ノリコ: 基本は割り勘ですね。あ、でも友達が「彼氏がホテル代を割り勘した」というのにキレて、結果的に別れちゃったことはありました。「ごはん代は割り勘でいいけど、ホテル代を払わすのはありえない」ということらしい。何人かから同じような話を聞きましたけど、個人的にはちょっと理解ができないです。
――ホテル代払いたくない問題はちょっとわかる気もしますね……。男性陣はどうでしょうか。
ヒガシ: 自分がちょっと多めに払ったり、預かって会計したりはしているけど、全おごりはしないですね。むしろ後輩とかのほうにおごっちゃう。彼女よりも、後輩に対してのほうがお金がかかっているかも……。
とにかく漠然とした不安がある
――みなさんの話を聞いていると、ちょっと不思議だなと思うところもあり。みなさんはまだ22歳で、今すぐ結婚したいというわけでもない。でも将来の結婚は不安……というのはどういう気持ちなんでしょうか?
アカリ: 子どもを産むタイミングのことを考えていて、将来が不安になりますね。母の言葉で印象に残っているものがあって「母親になったら、自分の人生だけではなく、子どもの人生を見なきゃいけないよ。100%自分の人生“だけ”を楽しめるのは、子どもを産むまでなんだよ」という。
私の母は、26歳で結婚して30歳で私を産んだんです。母はそれについて「遅い」とも「早い」とも言っていないけど、もしあと5年早かったら、きっとできなかったこともあっただろうなと。遅すぎず早すぎないタイミングで産みたいと母を見ていて思います。
ノリコ: そもそも、学生生活と結婚生活がかけ離れているんですよね。学生生活を恋人として付き合っている人がいても、その人と人生をともにするイメージがなかなかできなくて、つながらない。でも28歳くらいまでには結婚したいんです。しかも私は人見知りで人間に慣れるまでが遅いので、結婚前にできるだけ長く付き合いたいなと思うと、もう意外と時間がないとも思う……。
ヒガシ: 就職活動をきっかけに、みんな不安を口に出すようになったよね。学生生活からフィールドががらっと変わるから、「今後自分はどうなるんだろう」と考えるようになったというか。
タテル: 確かに、会社の男女比率が1対1だったら、「自分は将来結婚できるんだろうか」と思わなかったかも……。
ケイタ: 基本的に親の姿を見て「30歳くらいに結婚するんだろうな」とぼんやり思っていたけど、「今までは女性が専業主婦になっていたけど、自分たちは共働きだろうなあ」とか、「結婚は男性の収入が安定してからって言うけど、自分の場合はいつくらいだろう」とか、「30までは遊びたいような気もするな」とか、いろいろ想像するようになりました。
ハヤミ: とにかく、漠然とした不安があるんですよね。「学生時代に結婚相手を見つけておけ」ともいわれるけど、そこに労力を割く気にはなれない。さらに女性の先輩から聞く仕事の話はまだまだ厳しいものが多くて、「仕事と家庭の両立が自分にできるのか?」「自分は歩みたい人生を歩めるのかな?」と思います。どっちも完璧に楽しんでいる人のロールモデルやロードマップを見たことがないのが不安につながっているのかもしれません。
イベントでは、その不安をゲストとともに“ぶった斬り”していって、「いろいろな考え方がある」「そんなことに悩まなくてもいいのかもしれない」というメッセージを伝えていければと思っています。
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