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人体切断や空中浮遊で「戦う」! “ヤバい人たち”が集うマジックの世界大会では何が起こっているのか?(2/4 ページ)

「ステージで蝶を出したマジシャンがいたんですよ。そしたら……」

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――あらゆるものとは?

 手に持っている懐中時計が煙になって消えたりしますが、その消え方がありえないんです。マジックの知識があると、演技を見ながら「この状態だと消えるな」「なんなら今消そうとしてるな」など、その時々の状況が分かるんですよ。

 ところがリード・チャンの演技では、「この状態だともうここから先は続かないよね」という不可能状況で、物が消えます。

――どのくらいありえないんですか?

 マジシャンがブリーフケースを持ってきたとして、そのカバンからボーリング玉が出てきたら、「ちょっと不思議」くらいですよね。そうではなくて、ゾウが出てくるくらいの不思議さです。

――不思議さ以外で、印象に残っているマジシャンはいますか?

 昨年(2017年)岐阜で行われたFISMアジア予選で、蝶を出したマジシャンですね。ステージの部門だったのですが、空中に何匹もの本物の蝶が出現するという手品でした。出てきた蝶は会場内にそのまま自由に飛び立っていったのですが……。

 演技の直後、「蝶を見つけた人はスタッフまでお知らせください」とアナウンスが流れ、スタッフ総出で虫取り網を持って会場を駆け回る大騒ぎになりました。

 実はこの蝶、中国から密輸入されたものだったんですよ! もちろん、そのマジシャンは失格になりました(笑)。

 もう一人は、イタリアのコンベンションで出会ったマジシャンです。普段はかわいらしい女の子なんですが、演技ではお化けのかぶり物をして登場するんです。鎖を身体中から生やしまくったり、手に持っている大きな手鏡をたたき割ったり、かぶり物のお化けの目が動き出したり、初見で「お近づきになりたくない」と思いましたね。

 ほかにも、馬頭琴を宙に浮かしたりヤギを出したりする中国人2人組とか、舞台上に出現した5メートルくらいの神を鳩で倒す台湾人とか……。

――日本人だとどうでしょう。

 今回の世界大会にも一緒に出場した、野島伸幸さんは異常ですよ。12時間でオリジナルマジックを94個作るという、天才クリエイターです。

 彼がショーで披露した「おのじ」という作品なんですが、三角頭巾をかぶり、白装束に身を包んで、長髪を振り乱して現れるんです。そしてカードを数えだすんですよ。「いちまーい、にまーい」って。すると……恐ろしいことが起こります。

――それは手品なんですか?

 びっくりするくらい手品になっているのが不思議です。


大会で勝つためには

――大会ではどういう部分で評価されるのですか?

 一番分かりやすいのは「オリジナリティ」ですね。それまでにない現象や、カードやコインといった既存の道具とは異なる新しいアイテムを使った演技が評価されたりします。

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