自分だけが悪いわけではないのに、理不尽に怒鳴られたり、怒られたりした経験は誰しもあるかもしれません。理不尽を仕方のないものと受け入れる普通の会社員と、その心の中にいる“小学生の人格”のやり取りを描いた漫画に反響が集まっています。
主人公の会社員は「少し変わったところ」があり、心の中に小学生の人格を持っています。ある日、上司に書類のやり直しを命じられた主人公。指示通りにしたと反論するものの、上司には指示されたことをやるだけでなく「俺が本当に求めてものを読み取れよ」と怒鳴られてしまいます。
心の中の小学生は、なぜ上司だけが怒っているのかと素直に疑問を呈します。理解できなかった側だけでなく、伝えきれなかった側にも非があるのでは、と。しかし、主人公は上司に謝り、書類をやり直すのでした。
「なんで謝るの!?」と理不尽な事態に納得のいかない心の中の小学生。主人公は「…そういう風になってるんだよ」と仕方ないこととして飲み込んでしまいます。
仕事が終わり、帰ろうと思ったのに、主人公は上司に飲み会に呼ばれてしまいます。お酌をしたり気を遣いまくった挙げ句に、上司に「俺の酒が飲めないのか!」と言われて仕方なく飲むことに。
帰る途中、道端で吐く彼に、心の中の小学生はなぜ行きたくない飲み会に行って飲みたくない酒を飲むのかと問いかけます。彼の答えは「そういう風になってるんだよ」。
心の中の小学生の質問――理不尽さへの疑問にはちゃんと答えられたことがないと振り返る彼。分かってはいるのに自分に言い聞かせてしまうこと、自分を抑えてしまうこと、ありますよね……。
疑問に思ったり、嫌な思いをしても「そういう風になっているから」「仕方ない」と自分の気持ちにふたをしてしまった経験をしたことのある人もいるでしょう。本当はそんな風になっていないのに、囚われている自分……。でも、本当にそれでいいのかな? 小学生人格の声は心の声。たまにそんな声に耳を傾け、素直な思いへの答えを探してもよいのかもしれません。
漫画を読んだ読者からは「こんな生き方したくない」「上司の中の小学生はどこへ行ったの?」などのコメントが集まっています。
作者のけん(@nomorehole)さんは『別冊ヤングチャンピオン』連載の『みんなで辞めれば怖くない』単行本が11月に発売されたばかり。同作では今回紹介した短編のように“小学生の人格”や“バーサーカー・タダシ”といった人格を心に宿すサラリーマンの葛藤を描いています。
画像提供:けん(@nomorehole)さん
けんさんの書籍(Kindle Storeで配信中)
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