今振り返るコンビニ統廃合の歴史。セーブオン、スリーエフ、am/pm……思い出のあのチェーンはなぜ消えたのか?(3/6 ページ)
圧倒的な3大チェーンの強さと、中堅・ローカルコンビニ受難の歴史。
中小チェーンならではの工夫のあったコンビニも消滅
「新鮮組」は1986年にオープン。弁当類のメニューは当初から25種類ほどあり、客の注文を受けてから店内調理しており、配送時間、配送経費がかからないというメリットがありました。弁当は粗利益が高いため、これを主力商品として奮戦。「スパムおにぎり」なども人気でした。
しかしそれでも大手のシステムや商品力が必要となり、首都圏を強化したいローソンとの思惑が一致し、ローソンとのメガフランチャイズ契約を締結。新鮮組と同じく展開していた「ジャストスポット」の店舗とともに、2008年にローソンへと転換することになったのです(日経MJ 2008.1.25)。
「チコマート」は2005年10月に倒産。実は2013年にスーパーの長崎屋などを傘下に置いていたキョウデンのグループから独立していました。「独立して自分の意思で他社がまねできない店舗設計をしたい」と社長の十枝利樹氏は意気込んでいましたが、それからわずか2年後の倒産劇でした(日本経済新聞 2004.10.27)。
大分エスジーチェーン、ひまわりチェーン、東北サンマートチェーン、マイショップチェーンなど多くのチェーンを傘下に収めてきたチコマートの最後は、皮肉な結果となりました。
「商品が同じなら、ローソンのほうが売れる」
そして2008年あたりから、規模の大きなチェーンの統廃合が目立つようになります。
「なんでも99円」という、100円ショップを上回る安さとコンビニの便利さを兼ね合わせ、国内に衝撃を与えたのが「SHOP99」。
しかし経営環境は厳しく、中国産食品の安全性に疑いの目が向けられた際にも売り上げが減少。そこでローソンとの提携を発表しました。それには、規模のメリットを獲得して仕入れ価格を下げる、食材の調達に三菱商事の力が借りられる、ローソンブランドで消費者からの信用も得られる……そんな期待があったといいます(日経MJ 2007.9.26)。
そして2008年9月にはローソンが運営元の九九プラスを子会社化。同時に「SHOP99」の名が消えることも発表されました。その裏側には検証の結果、「SHOP99」の店舗より「ローソンストア100」の店舗のほうが、商品はほぼ同じにもかかわらず売り上げが伸びるという残酷な現実があったのです。潮時を悟った九九プラス社長・深掘高巨社長は、自らの意思でローソンストア100への統合を決定しました。
そして「SHOP99」は2011年7月20日をもって、全店がローソンストア100へ移行しました。
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