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勝者になるには、自ら告白するなど愚の骨頂! 相手を動かすための恋愛詰将棋「かぐや様は告らせたい」アニメ開始(1/2 ページ)

じれったさの向こう側の攻防ラブコメディー。

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かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜 (C)赤坂アカ/集英社

 恋愛は告白した方が負け! 「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」(原作アニメは、相手から自分に告白させるためにあらゆる知力体力を用いて戦うエリート学生たちが主人公のラブコメディー。とても賢くて、かなり面倒くさくて、そして愛しい少年少女の、生徒会青春物語です。


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告らせるってなに?

 1巻表紙と「天才たちの恋愛頭脳戦」というタイトルだけを見ると、なにやら格式高そうな真剣勝負ものをイメージしそうになります。もっとも実際のノリは、原作一話を読めばほぼわかります。未読の人は、掲載されている一話目を読んでね!

 エリート校の私立秀知院(しゅうちいん)学園に通う中でも、トップの2人。日本四大財閥の令嬢にして、あらゆることに秀でた天才、副会長の四宮(しのみや)かぐや。質実剛健、聡明英知、全国トップクラスの秀才、生徒会長の白銀御行(しろがね・みゆき)。ひときわ目立つ2人は「お付き合いなされてるのかしら?」なんてささやかれるほどにお似合い。

 実は心の中ではお互い惹かれ合っているものの、双方のプライドが自ら告白することを許さない。相手から告白してきたら「付き合ってやってもいい」という構え。


画像 ため息がかわいいですね(1巻P12)

 お互い「相手は自分のことを好きだろう」という推測はある。自分の気持ちはちゃんとわかっていないものの、相手への意識の度合いは尋常ではない。

 かくして始まる、「いかに相手に告白させるか」という、何手も先を読み合う将棋のごとき攻防。

 問題は2人共、人間関係の機微についてはポンコツで空回りなところ。面白いのは2人共、ズレ方が似ているので攻防が成立してしまうところ。やっぱりお似合い。


知識はあるけど経験はなし

 お互い頭は極端によく(かぐやは天性の才能、御行は努力の人という感じ)カリスマも高い。人間交渉術的なものは心得ているようです。ただ、柔軟性が全くなく、咄嗟(とっさ)の対応ができない。経験不足です。


画像 神の一手!(1巻P20)

 かぐやが繰り出した「純真無垢(カマトト)」ムーブ。解説によると、表情声音はテクニックとして磨かれたものらしい。訓練したらしい。これには御行も、一瞬たじろぐ!

 どう誘い、切り返すか。どう流れを作って、相手を手のひらの上で動かすか。状況を自分のペースに持っていくには、どう動くか。さながら武術の試合のよう。

 実はこの前にも、かぐやは「懸賞を偽造」「藤原書記(後述)のポストに投函」「会長の少ない休日を狙い打ち」という手順をわざわざ踏んで、「藤原書記が持て余したチケットを生徒会の2人(かぐや・御行)に渡す」というルートを作成。目的のためには手段を選ばないのが、かぐやのスタイルです。

 2人の論理はかなりきっちり組み立てられていますが、いかんせん現実体験が伴っていない。人間の心は計算式と違います。精密すぎるがゆえに融通が利かない。特にかぐやは超箱入りなので、世間一般の常識を知りません。


画像 お前そういうとこだぞ(2巻P45)

 御行側がかぐやをたじろがせたところまではいい。ただかぐやが譲歩した瞬間に、ニヤリとして突っ込んでしまい、何もかも台無しに。ここで御行が告白していれば何もかもうまくいったのに! 王手の一歩手前で横に1マス動くくらい惜しいけど、2人はそういう人間だからこそ、かみ合っています。


ミラクル属性の持ち主、藤原書記

 2人の拮抗状態を引っかき回すのが、生徒会書記の藤原千花(ふじわら・ちか)。政治家の娘。家庭は厳しいながらも、楽しいことを探してのびのび生きている子です。

 基本直球勝負な性格なので、相手の虚を突くことに生命を賭けている2人の会話と、かみ合わない。やることなすことが、かぐやと御行の心をかき乱していきます。


画像 天真爛漫の擬人化(1巻P94)

 御行が自分用に持ってきた、手作りのお弁当。他人がお弁当を一口もらっているのを見て「はしたない」と言ってしまったばっかりに、かぐやは御行のお弁当に興味津々なのに、おねだりできない。

 ところが藤原書記は何も知らない。めちゃくちゃおいしそうに食べてしまう。それどころか別の日に、御行にお弁当を作ってもらうほどに(食材が余ったから)。

 かぐや様、ご乱心。


画像 友達……?(1巻P104)

 わからんではないですが、人間扱いはしようよ。一応お泊りするくらいの仲良しなんだから。

 藤原書記は本当に悪気がないのがポイント。かぐやと御行の関係を気づいていないし、邪魔するつもりもない。ただ、生徒会にいるのが好きなだけ。


画像 尾を振る犬は打てぬ、というやつ(2巻P47)

 2人の計算は、彼女によって何もかも狂ってしまう。7巻に出てくる「お前これ以上状況をややこしくするな!!」という御行のセリフが的確な、トラブルメーカー。

 同時に、ひねくれすぎて人間関係をうまく作れないかぐやの横にシュルッと入り込めたのも、藤原書記の真っ直ぐさならでは。かぐやが中学時代にできた初めての友人です。パッと見友人っぽくないけど、そこはひねくれかぐやだから。

 彼女は空気をあえて読まない人間。頭は「普通」らしいのですが、2人と真逆で柔軟性は抜群。誰とでも交流でき、積んできた経験値が高い。天然ボケのように見えて、かなり鋭いところもある人物です。周囲の人間は彼女のことを、わざとなのか偶然なのかわからない、ミラクル属性の持ち主と認識している模様。

 序盤は3人からのスタート。登場人物も次々増えていきますが、くせのある人間だらけ。もっとも、ディスコミュニケーション気味なことが起きるのは、それぞれ心に何かを抱えているから。エリート高校生たちの空回りな青春がはじまります。


出張掲載:第1話「映画に誘わせたい」


かぐや様は告らせたい
かぐや様は告らせたい

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