なんだかお願いするのは悪い気がする、自分でやった方が早い、自分がやらなくては……理由は違えど、人に頼ったり甘えたりするのが苦手な人っているものですよね。でも「甘える」って、ステキなことなのかもしれません。漫画家の足袋はなお(@wooden_clogss)さんが「お疲れOLを癒したい猫耳ちゃんの話」としてTwitterで公開した漫画に3万件以上のいいねが集まり、人気になっています。
主人公のなっちゃんが子どもの頃、旅館を営むおじいちゃんが骨董市から招き猫のようなものを買ってきます。顔のない招き猫に、ニッコリ笑顔の絵を描いたなっちゃん。なんでもこの招き猫に顔を描くと、持ち主もその顔の通り(笑顔)になるといういわくつきらしいのです。なっちゃんはじーちゃんもばーちゃんもこの旅館に来る人もみんなが笑ってくれるように、とその招き猫のようなものを旅館の玄関に飾ります。
15年後、大人になり就職したなっちゃんは、おじいちゃんが亡くなって廃業した旅館に「タダだから」という理由で住むことになりました。大掃除をしていると、納屋であの招き猫を見つけます。慣れない都会での新生活、友人もできないまま……そんな日々を送っていた彼女は、飲みながら招き猫相手にうまく人に頼れないことを愚痴ります。
人への甘え方が分からない……そんななっちゃんのもとに現れたのは猫耳の女の子。なんとあの招き猫だというのです。
落ち込んでいるなっちゃんに昔のように笑顔になってほしいという猫耳ちゃん。「なっちゃんがニコニコできるならなんでもしたい」と言ってくれますが、「私には必要ないかな」「自分の力で解決しなきゃ」と拒んでしまいます。その言葉を聞いて、出て行ってしまう猫耳ちゃん。
罪悪感にさいなまれながら仕事に出掛けたなっちゃん。そのせいで仕事は大変なことになってしまいますが……猫耳ちゃんのことを思い出し、手をさしのべてくれた同僚に頼ることができました。
行く当てもなく戻ってきた猫耳ちゃんを迎え入れるなっちゃん。迷惑をかけたとボロボロ涙をこぼして謝る猫耳ちゃんに、「人に甘えるのは全部悪いこと」だと勘違いしていたこと、甘えられてのはうれしかったことを告げます。猫耳ちゃんは「ニケ」(毛色が2色なので)という名前をもらい、2人のニコニコな暮らしが始まるのでした。
不思議な出会いがこれまでの価値観をガラッと変える――じーんと来るお話です。2人の関係性や猫耳ちゃんのかわいらしさにも癒されます! 漫画を読んだ読者からは「人に甘えるのが下手なので親近感がある」「癒される」「暖かくて、ほっこりするような漫画」などの感想が寄せられています。
この漫画『佐本家のニケ』はアプリ漫画誌「少年ジャンプ+」で読むことができます。作者の足袋はなおさんは、同誌で『とけだせ!みぞれちゃん』という、溶けまくる雪女が夏に挑むコメディー漫画を連載中です。癒されたい人はチェックしてみるとよいでしょう。コミックス1巻が2月4日に発売されます。
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