先日、朝日新聞が報道した、青森県むつ市役所の「マスクなし対応」に、ネット上でさまざまな声があがりました。
窓口業務を行う職員に対し、「家族にインフルエンザ発症者が出ている」「花粉アレルギーがある」といった事情がない限り、マスクを着けないよう求めるもの。マスクをすると「表情が見えづらく不快な印象を与えかねない」「会話が聞き取りづらくなって説明の内容が十分に伝わらない恐れがある」などの観点から実施されたといいます。
Twitter上では、感染予防などの観点から批判する人が現れた一方、「マスクを多用するのは日本特有で、海外ではあまり使われていない」と指摘する声も。では、どうして日本は、“マスク大国”になったのでしょうか。
日本におけるマスクの歴史
歴史をたどると「広義の意味でのマスクが紀元前から用いられていた」という記録もありますが、現代人がイメージするようなものが広まったのは、1918〜1920年にかけて流行した「スペインかぜ」がきっかけといわれています。
「スペインかぜ」とは全世界で感染者約6億人、2000万〜4000万人もの死者が出たとされるインフルエンザの世界的なパンデミック。日本でも当時の人口の半分にあたる約2300万人が感染し、猛威をふるいました。
これにより、主に粉塵(ふんじん)から肺を守るために使われていたマスクが、インフルエンザ対策に用いられるようになったのだとか。当時は「マスクをかけぬ 命しらず!」というコピーを採用したポスターもあり、感染予防は極めて重要な問題だったのかもしれません。
以後、インフルエンザが流行するたびに、出荷量が増加するようになり、近年では新型インフルエンザが猛威をふるった2009年、マスクが全国的に品薄状態に。「“自分が感染しない”という意味での予防では、マスクの効果は限定的」ともいわれていますが、現在でも大きな需要があるようです。
ちなみに、マスクが現在のような形になったのは昭和20年代のことだとか。最初期は真ちゅうの金網などが使われていたものの、その後、普及とともに改良がすすんでいったそうです。
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